町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

俳句 記事一覧俳句

『都市』第76号・2020年8月

2020.08.10(月)

どこからかフルート聞こゆ苗木市
幾分か帽子目深に卒業生
花冷の茶会に向かふ兄いもと
師の前で若きままなる四月馬鹿
歯がなくも歯を食ひ縛る吹流し

『都市』第75号・2020年6月

2020.06.10(水)

好天に恵まれし日よ大根引く
春立つや広辞苑取る手も軽し
はうれん草箸伸ばす手は真つすぐに
リハビリに励む犬にも春来たる
春の蚊を眼で追ひて犬走り出す

『都市』第74号・2020年4月

2020.04.07(火)

柿落葉はさみ閉づるは福音書
茶の間にていびきかく妻御代の春
ぼろ市や一度帰りてまた向かふ
鮮やかな初夢見たり酒を断つ
初詣同級生へ手を挙ぐる

『都市』第73号・2020年2月

2020.02.12(水)

栗御飯栗から食ぶる夜更けかな
稲刈りて萬年筆を買ひに行く
草紅葉友ゐない子を迎へ入れ
ドラマでは易く人死ぬ根深汁
飼犬の留守番つとむ七五三

表紙イラストは、KICHICAさんです。

『都市』第72号・2019年12月

2019.12.11(水)

遮断機や汗拭ふ人見つめをり
披露宴遅刻する夢残暑の夜
吊橋を親子でわたる終戦忌
洗濯の深夜に及び星月夜
靴の紐締めてゐる間の流れ星

『都市』第71号・2019年10月

2019.10.10(木)

ミサののちふらここを漕ぐ神父たち
蕗噛みて忘れたきこと忘れけむ
勝ちて泣く石榴の花に見つめられ
七夕に男二人で映画観て
雪渓の足跡深く交錯す

『都市』第70号・2019年8月

2019.08.12(月)

手の甲に心覚えや新入生
雁風呂や帽子おさへて急ぎ足
啄木忌震へる手にて書く日記
愛鳥週間啄木の歌集手に
閉店を知らず訪ふ夏の霜

『都市』第69号・2019年6月

2019.06.11(火)

振り向かずとも富士のある冬の空
犬二匹耳そばだてる初音かな
雲間より陽の輝きて大試験
波を見て逃ぐる子のゐる磯開き
初蝶に大気揺れゐて日も揺るる

『都市』第68号・2019年4月

2019.04.11(木)

学び舎に法の意味知る隙間風
冬の夜寝てゐる顔は嘘つかず
お揃ひのセーター着込み寝台車
起き上がる覚悟もなくて初寝覚
両手持て成人式の握り飯

『都市』第67号・2019年2月

2019.02.14(木)

逝きし子も色なき風に吹かれけり
肩薄くなりたる母と秋刀魚食ぶ
鰯雲もう一度息深く吸ふ
実のある話とは何ぞ太閤忌
どんぐりの命を拒む固さかな
新しき傘差し兼ねる時雨かな