町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

「民族芸能」vol.68らん丈の、我ら落語家群像

2000.11.01(水)

 先日電車に乗っていると、傍らの中年男性二人の会話が耳に入ってきました。そこで盛んに「会いてえ、会いてえ」と云っている。妙齢の女性にでも逢いたいのかと、羨ましくも尚、会話を聞くともなく聞いているとどうも様子がおかしい。すると今度は「あ、痛え」と云い始めた。ことここに至ってやっと分かりました。つまりその中年男性はITと云っていたのです。森首相の「イット」に較べれば、間違ってはいないだけに微笑ましい。

 いまや日本では、携帯電話とPHSが併せて六千万台以上普及しているそうですから、赤ん坊から百歳のお年寄りまで二人に一人はどちらかを持っている勘定になります。それがために公衆電話がどんどん撤去されています。これを称してテレハラと云うそうです。

 二十一世紀を目前に控えた今、世の中はITの時代だそうです。折しもIT戦略会議とIT戦略本部による「IT国家基本戦略」の最終案が今月下旬に策定されますが、草案を見るとIT後進国の我が国を先進国に嵩上げさせようと目論んでいるようです。来世紀の日本が進むべき進路を決める重要事項を、政権発足後僅か数ヶ月で決定しようというのですから、そのプラン作りの迅速さを賞揚すべきなのか、それともその拙速さを責めるべきなのか、少なくともアメリカはこのプランに匹敵するものを何年も掛けて慎重に練り上げたことを思い出せば、最終案にあまり期待しないほうが賢明というものでしょう。

 そこへいくと我が家のITは分かり易い。

 おんぼろパソコンと携帯電話を如何に安く更新できるか、この一点に懸かっています。パソコンの進歩は文字通り日進月歩でして、実感としては秒新分歩といった塩梅。ドッグイヤーといって犬の一年はヒトの七年に相当するそうですが、この変化のスピードは何とかならんですか。何ともならんでしょうな。ぼくのようにハナから落ちこぼれている者にとっては、その速さにただただ呆然とするばかり。

 早い話が携帯電話の扱い方が分かりません。

 皆さんは外出時、トイレに入っているときに携帯電話が鳴ったらどうしていますか?ぼくは最近立て続けに鳴りました。それも立って用を足しているときならまだしも、男性にもかかわらず、しゃがんでいるときだったからたまりません。着信番号をみて、すぐに出なくてもよい相手ならばバイブレーター機能にしてありますから、留守番電話にメッセージを残してもらえばいいのですが、絶対に出ないわけにはいかない場合だったからたまりません。「どう、今大丈夫?」「はい、まあ何とか」「どうしたの?声が小さいようだけど」「ちょっと取り込んでいるもんですから」「なんだったら掛けなおすけど」「いえ、大丈夫です」結局出るものを無理やり引っ込め、まずはトイレから脱出したのでした。