町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

「保健福祉常任委員会」 行政視察2007年議員活動

2007.05.17(木)

 視察所感
1、袋井市中央子育て支援センター「カンガルーのぽっけ」
1)事業内容に(2)「児童館」とあったが、いわゆる通常の児童館とは異なり、対象者が、小・中・高校生となっているところが、独自の内容といえよう。
 それは、「カンガルーのぽっけ」が大切にすることと、通じるところである。
 同館は大切にすることを3つ謳っており、それは以下の通りである。1、市民の力による運営。2、子育て支援のコーディネート。3、乳幼児と児童の交流。この場合、3、の事項が特に眼を引く。
 つまり、乳幼児と小・中学生や高校生が同じスペースで遊ぶことによって、小・中学生や高校生が自発的に乳幼児や児童とのふれあいを深めることを促している。
 ただ実際には、そのような場面にはなかなかお目にかかれないようである。

2、「しずおか子育て優待カード」事業
1)静岡県と事業を実施する意向を示した市町は、協働して「しずおか子育て優待カード」事業に取り組むシステムである。
 先行県に、石川県、奈良県があるそうである。
 本事業は、18歳未満の子どもを同伴した保護者又は妊娠中の方が、優待カードを県内すべての協賛ステッカーを掲げる協賛店舗・協賛施設で提示すると、店舗・施設ごとに決められた特典を受けることができるというもの。
 現在協賛店舗・施設は、あわせて216施設あるそうである。
 協賛店舗・施設が拡充しない主因は、協賛することによって、費用負担はすべて自前という原則があるために、インセンティブに欠けるところがある。

 また、子どもを同伴した保護者のみ、この特典を利用できるというきまりがあるために、保護者のみで来店したときには使えない制度上の問題も指摘できる。

 利用率は、カード保有世帯の5パーセントに過ぎないそうであるが、再利用率は高いという点に、今後この制度をどう活かすことができるのか。
 そのヒントが隠されているようである。

3、赤穂市民病院の効率的経営について
1)患者に選ばれる病院を目指すという観点から、開院当初から当院では、ご意見箱を設置し、病院への意見の集約に努めているとのこと。
 これは、どの病院も留意すべき推奨されることだと考えた。

2)財政10ヵ年計画によれば、未処理欠損金が増えていないことは高評価を得る一因であろう。

3)地方公営企業法との関係については、昭和47年1月から同病院は、全部適用とのことだそうだが、管理者を置くわけではなく、赤穂市長が責任者なので、全部適用のメリットを充分活用しているとは言い難いとの念を覚えた。

4)地方交付税措置額は、6億3千万円に達するとのことであるが、赤穂市からの資金を投入することなく、病院運営を機能させているところは、見習うべきことである。

5)開放病床を設置し、開業医の患者も積極的に受け入れているが、これは、地域の中核病院として当然のこととはいえ、高度医療と開業医との棲み分けを進める厚生労働省の意向に反しても、地域住民への医療サービスの充実を目指した結果の措置なのであろう。

6)病床稼働率が95%というのは、驚嘆すべき数値である。ただ、早期退院を促す治療法へと転換したために、入院日数が減少したために、病床稼働率が低下したとはいうものの、それでも90%以上の数字を維持しているのは、医療スタッフの並々ならぬご努力の賜物と、驚嘆した。

7)病院会計が、平成16年度まで黒字であり、平成17年度に至り赤字化したものの、それでも赤字額はごく僅かというのも、同じく医療スタッフのご努力の賜物であろう。

8)地域コミュニティの場となるような病院を目指す観点から、病院祭を開催し、公民館祭と類似の機能を持たせていることにも、興味と賛同を覚えた。

9)当院では、ボランティアスタッフの積極的な登用に努めており、一般市民である、ボランティアスタッフを病院の中に受け容れることにより、職場のスタッフの間に適度な緊張感が生まれ、それをポジティブに捉えるところは、なかなか先進的である。
 それが、患者を患者様と呼ぶ職場スタッフを生む土壌となっているのであろう。

10)圧巻は、ドクタードッグといって、訓練された犬を犬好きな患者にふり向けることで、患者にしばしの安らぎを与えていることである。
 これは、町田市内の病院でもすぐにでも取り上げるべきことではないだろうか。

11)患者は入院している部屋のベッドに仰臥していても、眼を向ければ、眺望を楽しめるように、窓の取り付け位置が低いものとなっている。
 これも、病人本位の病院作りの一環なのだろう。
 ある看護師の方は、患者さんにとって使いやすいことは、往々にして病院スタッフにとっては使い辛いことがあるが、それはこちらが我慢することによって凌いでるという言葉には、感銘を受けた。
 ここにこそ、患者本位の真髄を見た思いがする。

4、福山すこやかセンターについて
1)福祉サービスの利用者は、同時に保健・医療サービスを必要とする場合が多く、市民の保健・医療・福祉ニーズの高度化、多様化に対応すべく、それぞれの持つ役割、機能をより効率的・効果的に活用する施設として設置されたものである。

2)今後の課題として、折角拠点化した複合施設を作ったのだから、ワンストップサービスの構築は不可欠と考えた。
 それこそが、市民本位のすこやかセンターの構築につながるのではないだろうか。