町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

平成29年第1回町田市議会 定例会「代表質疑」一般質問

2017.03.31(金)

2017年第1回定例会3月10日 町田市議会本会議における代表質疑「平成29年度施政方針、町田市5ヵ年計画17-21」について、壇上部分。

(1)町田市を取り巻く社会情勢と今後の市政運営について

 おはようございます。私は、自由民主党会派を代表いたしまして、市政運営の重要な課題について質疑いたします。

 市長が、施政方針や町田市5ヵ年計画17-21において示された、各分野における施策の基本的な考え方について、順次お尋ねいたします。

 安倍政権におけるアベノミクスは、大きな成果を生み出しました。

 国民総所得は40兆円近く増加し、国の税収は15兆円増えました。
 そして、日本企業の収益は史上最高の水準に達しています。就業者は100万人以上増え、失業者は60万人以上減っています。失業率は3.2%と18年ぶりの低水準で推移し、有効求人倍率は24年ぶりの高水準となっております。

 一方、経済全体としてみると、実質賃金はプラスに転じていますが、個人消費や設備投資といった民間需要に力強さを欠いた状況となっています。

 これは、少子高齢化の進行が労働供給の減少のみならず、将来の経済規模の縮小や生活水準の低下を招き、持続可能性を危うくするという認識が成長の足枷となっているからと考えられます。

 もはや、少子高齢化に対抗する政策は単なる社会政策では充分なものとはなり得ず、これからの経済成長を左右するには、経済政策を発動しなければならないものとなっています。

 少子高齢化に挑戦し、その壁を打ち破るための具体的な取り組みを掲げる段階にあります。

 子育て支援や社会保障の基盤を強化し、少子高齢化の流れに歯止めをかける。そして、誰もが生きがいを感じられる社会を創っていかなければならないのです。

 政府が掲げる一億総活躍社会、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度や二度の失敗を経験した方も、障がいや難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で誰もが活躍できる社会の実現に向け、企業・市民・行政が一体となって取り組んでいかなければなりません。

 これは、初めから設計図のあるといった簡単な課題ではありません。これまでの発想にとらわれることなく、克服を阻害するあらゆる壁を取り除き、我々の世代が、あらゆる政策手段を尽くしてこの挑戦を続けていくべきものであります。

 それでは、初めに「町田市を取り巻く社会情勢と今後の市政運営について」お伺いします。

 今般策定した「町田市5ヵ年計画17-21」は本格的な人口減少社会の到来を目前に控え町田市としての、人口減少社会への高らかな挑戦と受け止めています。
 まずは、その心意気に敬意を表したいと思います。

 少子高齢化における持続可能な社会づくりという前人未踏の課題に対し、日本のどこかがその答えを見出していかなければならないのです。そこで、人材や資源などチャレンジできる力をもった町田市が、その役割をしっかり担っていくことが求められています。

 日本の未来を創るのは、他の誰でもない、私たち自身です。人口減少、少子高齢化の克服を諦めてしまったら、私たちの子や孫の世代に輝かしい未来を引き継ぐことはできません。

 そこでお伺いします。町田市5ヵ年計画17-21の目指す姿、その先のビジョンについて、お聞かせください。

 次に、「構造的収支不足の拡大について」お伺いします。

 町田市5ヵ年計画17-21策定における環境の変化として、「構造的収支不足の拡大」とありました。これは高齢化の進展によって自ずと増えてくる社会保障関係経費の増加に対して、それに見合う財源の確保が難しくなる状況と理解しています。

 構造的収支不足の拡大について、今後どのような見込みを立てているのかについてお聞かせください。

(2)公共サービス改革について

 次に(2)「公共サービス改革について」お伺いします。
 この5ヵ年計画は、人口減少社会に真正面から挑戦する計画として、未来への投資と公共サービス改革を掲げています。

 未来への投資と公共サービス改革は、いわば車の両輪としての機能があると思います。未来への投資は、若者に魅力的な住環境の整備、あるいは、町田市固有の魅力の創出などを実現に導くものでしょう。一方、公共サービス改革は、未来への投資を支えるとともに、構造的収支不足に対応する方策でもあると考えるからです。

 今後、冒頭のご説明にもありますとおり、社会保障関係経費の増大や市税収入の減少に伴う構造的収支不足が拡大する中で、財政状況はますます厳しくなることでしょうし、加えて、町田市の公共施設の約半数が築30年以上経過し、老朽化への対応や維持管理経費の増大が求められる時代に突入します。

 しかし、このような困難な状況下にあっても、将来を担う世代に大きな負担を背負わせることがないよう、町田市は市民に持続可能なサービスを提供し、かつ、サービスの品質を保つ必要があると考えます。

 そこでお伺いします。公共サービス改革について、具体的にどのようなことに取り組むのかをお聞かせください。

(3)将来を担う人が育つまちをつくる取り組みについて

 次に、「(3)将来を担う人が育つまちをつくる取り組みについて」お伺いします。

 「5ヵ年計画における子育て施策の目指す姿」についてであります。

 まず、申しあげておきますが、子育て世帯が安心して子育てができる環境を整えることは、これからの町田市にとって、何より大切なものであると考えております。

 国においても、「一億総活躍社会の実現」に向けて、緊急に実施する対策として、子育てしながら仕事を続けることができる社会をつくるための「子育て環境の整備」を掲げております。

 そうした中で、わが町田市の将来を考えますと、「若年層の定住を促進する」という大きな課題があります。
 そうした視点に立って、「5カ年計画における子育て施策の目指す姿」について伺いたいところですが、これから申し上げます二つの政策項目を中心に質疑を展開したいと存じます。

 一つ目ですが、新聞をはじめ、多くのマスコミ報道でも取り上げられていますが、「働きたくても、子どもを保育園に入れられない」という状況が伝わってきています。

 町田市では、これまでも、「20年間期間限定認可保育所」という独自の待機児解消施策や、幼稚園と保育園が一緒が一体化した「認定こども園」の整備によりまして、多い時で400人以上いた待機児童が、200人以下になっていると伺っております。

 一方で、女性の社会進出や共働き世帯は、まだまだ増加していくと思われます。

 価値観や働き方が多様化していくなかで、これまで以上に様々な保育ニーズへの対応が必要となると思います。

 二つ目として、子育て世帯ですが、親の「育てる」という立場から見た環境ではなく、子どもたち自身にとっての環境、もう少し言えば、子どもたちの健やかな成長を支える環境をどのように作っていくかということです。

 昨年町田地区に、待望の子どもセンター「まあち」が開館しまして、これで五つの地区すべてに子どもの活動拠点が整備されました。

 「まあち」では、年間12万人のペースで子どもたちが来館していて、未就学児のお子さんとその保護者の方も多くご利用されているとうかがっておりまして、とっても喜ばしいことだと思っております。

 そして、町田市として特徴的な取り組みとして、子どもたちが自由に遊ぶ「冒険遊び場」があります。芹ヶ谷公園と鶴川中央公園では、いつでも利用できる常設型の冒険遊び場となっておりまして、私も、芹ヶ谷公園には何度もうかがっておりますが、素晴らしい取り組みであると思っているところです。

 そこで、子どもセンターや冒険遊び場、さらには、「まちとも」といった子どもたちの健やかな成長を支える環境について、その際、当然ながら、学校は重要な役割を果たしていますので、「放課後の子どもの居場所」といったほうが分かり易いかもしれませんね。

 この「子どもの居場所」の整備を今後どのように展開していくのか、ということでございます。

 そこでお伺いします。子育て支援と子どもたちの健やかな成長を支える環境の整備の双方の面から「5カ年計画における子育て施策の目指す姿」についてお聞かせください。

(4)安心して生活できるまちをつくる取り組みについて

 次に、「(4)安心して生活できるまちをつくる取り組みについて」お伺いします。

 「町田市版地域包括ケアシステムの構築について」お伺いします。

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、町田市においても後期高齢者の急増が予測されるところです。

 厚生労働省においては、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制いわゆる地域包括ケアシステムの構築を推進しています。

 本年1月に日本老年学会などが、現在65歳以上とされている「高齢者」の定義を75歳以上に見直し、前期高齢者の65〜74歳は「准高齢者」として社会の支え手と捉え直すよう求める提言がありました。

 これについては、我が国の社会保障全体に係ることであるため、慎重な議論が必要であると思います。

 しかし、医療の進歩や生活環境の改善により、元気な高齢者が増えていることは事実でありまして、65歳以上の高齢者全体というよりは、75歳以上の後期高齢者人口が増えることが、医療・介護、生活支援などの行政が対応しなければならない課題へと繋がっていくと考えております。

 2025年に向けてますます増大していくと見込まれている医療や介護にかかる財源や人材不足、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯の増加、認知症など、高齢者を取り巻くさまざまな状況への対応は町田市として重要な課題です。

 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには、地域包括ケアシステムをしっかりと機能させていかなければなりません。

 ただ、地域包括ケアシステムは抽象的で幅広い概念であると思われます。

 この町田市において、地域のいまある資源で何ができていて、何ができていないかをしっかり把握した上で、医療や介護、予防などの各分野を横串で刺し、全体で進めていくことが必要であると考えております。

 また、4月から「町田市介護予防・日常生活支援総合事業」が始まるとも聞いています。

 そこでお伺いします。町田市版地域包括ケアシステムとはどういうもので、これから何を目指していくのかをお聞かせください。

(5)賑わいのあるまちをつくる取り組みについて

 次に、「(5)賑わいのあるまちをつくる取り組みについて」お伺いします。

 初めに、「芹ヶ谷公園芸術の杜について」お伺いします。

 今後、中心市街地の新たな交流・賑わいの創出に取り組んでいく上では、海老名など近隣の競合都市の発展や中心市街地に求める時代のニーズの変化に対応していくことが必要です。

 町田ならではの魅力を創り出していく上では、周辺資源との連携も有効な取り組みだと思います。まちに行く目的がたくさんある、まちの魅力が向上しゆっくり過ごせるといったことが重要なポイントになるのではないかと考えております。

 芹ヶ谷公園は、中心市街地に隣接しながらも、保全させている谷戸地形や湧水などによって静かで落ち着いた空間を形成しています。

 たとえば、中心市街地を訪れ、買い物をし、中央図書館や市民文学館で本をひもとき、芹ヶ谷公園へ回遊し、豊かなみどりの中で芸術・イベント等を楽しむ、冒険遊び場で思いっきり自由に遊ぶといったストーリーは、休日を中心市街地で過ごすファミリーや、文化芸術を楽しむアクティブシニアにとって魅力的なものとなると思います。

 町田の中心市街地は、様々な人々がそれぞれの思いに合った多様な過ごし方ができるまちとなることが重要だと考えます。

 そこでお伺いします。
 今後、芹ヶ谷公園を中心市街地の回遊の核としてどのように魅力を高めていこうと考えているのかお聞かせください。 

 次に、「野津田公園のスポーツの森について」お伺いします。

 野津田公園スポーツの森では、『FC町田ゼルビアのホームゲーム』や、ラグビーの国際交流試合『町田ワールドマッチラグビー』や、『全日本大学選手権サッカー大会』などのスポーツイベントが開催され、まさしく町田の「観る」スポーツの拠点となっています。

 町田市には、サッカーのFC町田ゼルビア、フットサルのASVペスカドーラ町田、ラグビーのキヤノンイーグルスの3つのホームタウンチームが活躍しています。

 このことは、市民の誇りであると同時に町田市の大きな財産であると考えています。

 スポーツには、人を夢中にさせる大きな力があります。
身近な場所でトップスポーツが盛んであるというまちの魅力を更に高め、スポーツの力を地域活性化や地域愛、誇りの醸成に結び付けていくべきだと思います。

 町田の「みるスポーツの拠点」としての魅力を高める投資、具体的には、大型映像装置の整備、FC町田ゼルビアのJ1昇格を見据えた観客席増設を5ヵ年計画の期間内に行うとお伺いしました。

 そこでお伺いします。FC町田ゼルビアがJ1に昇格した際の経済波及効果についてどの程度のものを見込んでいるのかお聞かせください。

 次に、「東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについて」お伺いします。

 少し大きな視点から、東京2020オリンピック・パラリンピックについて話をさせていただきたいと思います。

 1964年東京大会は、戦後の復興後、高度経済成長の真っただ中に開催され、発展する我が国の存在を国際社会にアピールする場となりました。

 その後、世界第2位の経済大国となり、バブル経済を経て、失われた20年という長い停滞がありました。

 そして、この先には、世界に類を見ない超高齢化社会の到来、急速な人口減少が予測されています。こうした状況を乗り越え、暮らしの豊かさを維持していくためには、2030年、2050年を見据えた大きな社会変革が必要です。

 2020年東京大会を、持続可能な成熟社会へ転換する機会としなければなりません。そのためには、成熟社会における価値、質的な豊かさや、精神的な充足、社会で必要とされ貢献することへの価値といった新たな価値を創り出し、共有する機会としなければなりません。

 一般的にオリンピック・パラリンピックレガシーとされている「全員が能力と個性を発揮し、活躍する社会」、「皆が健康でアクティブに暮らせる社会」「スポーツ・文化芸術が広く浸透した社会」といったことは、人口減少社会の課題、価値そのものであります。

 そこでお伺いします。
 町田市におけるオリンピック・パラリンピックレガシーを創り出すために、どのような考え方で取り組みを進めていこうと考えているのかお聞かせください。

(6)暮らしやすいまちをつくる取り組みについて

 次に、「(6)暮らしやすいまちをつくる取り組みについて」お伺いします。

 初めに、「南町田拠点創出まちづくりプロジェクトについて」お伺いします。

 「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」は、ついに整備工事段階に入りました。

 また先日、東急電鉄から、新たな商業施設と南町田駅リニューアルの構想も発表されました。

 町田市にとりましては、本当に久しぶりの大規模再開発で、多方面から注目されているプロジェクトでもございますので、2年半後の「まちびらき」まで着実に事業を進めていただき、新たなまちのお披露目を楽しみに待ちたいと思っております。

 さて、この南町田のプロジェクトは、「新たな暮らしの拠点をつくる」ことを標榜しています。

 町田市は「住宅都市」「生活都市」として、暮らしやすい環境を整え、このまちで暮らすことを魅力に感じてもらえるように、より能動的な取り組みが重要となると考えております。

 また、拠点づくりという観点からは、南町田では東急電鉄というパートナーとともに事業を進めていますが、まちをつくり、まちをマネジメントすることに、官民の連携、民間事業者のパワーを注入することもまた、今後のまちづくりにとっては重要な視点となってくるのではと考えております。

 そこでお伺いします。
 この南町田での取り組みを、今後の町田市における拠点形成、中心市街地や鶴川駅周辺などで展開するまちづくりに、どのように活かしていこうとお考えでしょうかお聞かせください。

 次に、「鶴川駅周辺まちづくり整備について」お伺いします。

 鶴川駅周辺は、鶴川団地や多くの戸建住宅地、大学を後背に抱え、駅の乗降人員が一日当たり約6万9千人、駅発の路線バスは一日730本を超えるなど、交通の一大拠点でございます。

 もうすこし広く見渡しますと、香山緑地、町田薬師池公園四季彩の杜、北部の丘陵域、野津田公園スポーツの森と、まさにこれから町田市が力を入れて魅力アップに取り組もうとしている、観光、文化、レクリエーション、スポーツなど多種多様な拠点が目白押しでございます。

 昨年12月に「鶴川駅周辺再整備基本方針」が公表され、交通機能の再強化をはじめとして、この鶴川駅周辺にもう一度手を入れ、駅周辺の利便性・魅力の向上を図るという方向性が示されました。

 これまで周辺住民にとっての念願でありました駅南側の整備についても、この中に盛り込まれました。

 施政方針で言うところの「15年先、30年先も選ばれるまち」となるために、いま鶴川駅周辺の再整備に取り組むことはどのような意味を持つか、改めて問いたいと思います。

 そこでお伺いします。
 鶴川駅周辺まちづくりについて、いま拠点整備に取り組む意義、そして、どのような時間軸で取り組みを進めていくのかをお聞かせください。