町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

はるかぜ vol.21 2016年4月号市政報告『はるかぜ』

2016.04.01(金)

・ふるさと納税
・平成28年度施政方針
・条例とはなにか -町田市の場合-

ふるさと納税

 ふるさと納税を御存じない方はいらっしゃらないでしょうが、念のため、総務省のHPに紹介されている部分を抜粋すると、次のように、記されています。

 「ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります。)。 
 例えば、年収700万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、30,000円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されます」。

 このようなふるさと納税ですが、らん丈は、平成20年と平成27年の市議会定例会で、ふるさと納税を採り上げています。そこでは、町田市はもっと積極的にふるさと納税に取り組むべきと主張させていただいたのです。

 たとえば、北海道の上士幌町の町税収入は約6億4,000万円、それに対してふるさと納税は9億1,000万円でございまして、町税の1.5倍ものふるさと納税があるというのです。

 これを町田市に当てはめると、平成26年度の上半期の市税収入が186億8785万円ですから、これを単純に2倍すると、373億7570億円ということになり、その1.5倍となると、560億6355億円ものふるさと納税による税収があったことになります。

 もちろん、町田市の場合、それに遠く及びません。

 また、ふるさと納税は、昨年4月1日に施行された地方税法の一部改正によって、ふるさと納税ワンストップ特例制度が創設されるとともに、個人市民税のふるさと納税に関する特例控除額の上限が拡充されております。

 これら、わたしの一般質問をうけてなのかどうかは、わかりませんが、町田市は昨年の12月にふるさと納税を積極的に活用するようになりました。

 それは、町田市へふるさと納税をしていただいた方へ、「まちだ名産品」を中心とした町田市オリジナル返礼品の贈呈を開始したことです。また、全国の自治体の返礼品と使い道を掲載しているふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」を利用し、インターネットからふるさと納税の申込みやクレジットカード決済が、最短5分でできるようになったのです。

 具体的には、1万円以上のふるさと納税(寄附)をいただいた方に対して、町田市の名産品を数多く取り扱っている町田市観光コンベンション協会が選定した返礼品(3,000円相当)を贈呈するようになったのです。

 その結果、町田市は2ヶ月で約1,800万円ものふるさと納税をいただくことができました。

 それに気をよくしてか、町田市は次にしめすふるさと納税制度を創設しました。1、トップアスリートと子どもたちをスポーツでつなぐ!2、町田市立国際版画美術館に『歌麿』を呼ぼう!3、トップスポーツを楽しめる環境を町田に!

 いうまでもなく、ふるさと納税は、町田市民が町田市にたいしてもおこなうことができます。


平成28年度施政方針

 国会を、憲法でみると、次のように記されています。

52条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。

 ここでいう常会とは、いわゆる通常国会のことです。その通常国会は、毎年一回1月に召集されるのです。

 国会では常会以外には、臨時会と特別会が召集されることがあります。それを、国会法では、下記のように規定しています。

1条3項  臨時会及び特別会(日本国憲法第五十四条 により召集された国会をいう)の召集詔書の公布は、前項によることを要しない。

 臨時会と特別会を、それぞれマスコミでは、臨時国会、特別国会とよんでいます。それらの冒頭、首相が国政の方針を説明する演説が、所信表明演説です。

 それに対して、通常国会の冒頭おこなわれるのが、施政方針演説です。

 以上は、国会の場合ですが、町田市議会では、毎年2月に招集される第1回定例会のはじめに市長によって、施政方針が述べられます。施政方針は、町田市のHPに掲示されていますので、ご興味のある方は是非、ご覧ください。

 さて、平成28年度施政方針ですが、「市政運営の視点」からはじまり、24頁におよぶ結構なボリュームがあります。

 その施政方針を、町田市議会本会議において、らん丈は、自由民主党会派の代表として質疑をおこないました。その内容は、下記のとおりです。

  1. 町田市を取り巻く社会情勢と今後の市政運営について
  2. 地域社会づくりプロジェクトについて
  3. 団地再生プロジェクトについて
  4. 基幹交通のプロジェクトについて
  5. 将来を担う人が育つまちをつくる取り組みにいて
  6. 安心して生活できるまちをつくる取り組みについて
  7. 賑わいのあるまちをつくる取り組みについて
  8. 暮らしやすいまちをつくる取り組みについて
  9. 構造的収支不足について

 以上の内容を質疑いたしました。それに対して、市長は御答弁してくださいましたが、施政方針にあるように、「構造的収支不足を解消する手立ては持ちえず、各自治体は必然的にサービス水準を引き下げるか、必要な投資を先延ばしにするかといったことにより収支バランスをとらざるを得ないことになります」と記しています。

 このような状況で、市長は町田第一中学校の改築を決断し、次のように言明されています。「町田第一中学校改築に向け、基本設計を実施します。町田第一中学校は、建築後53年が経過しており老朽化が著しい状況にあります。建替後の校舎は、太陽光発電設備等再生可能エネルギーの利用により、ランニングコストの低減を図ります。そして、将来の社会的変化に対応できる弾力的な運用が可能な施設構造とします。2022年1月からの新校舎使用開始を目指します」。

 教育の充実に目をむけている市長に、あらためて心強い思いを抱いているところです。


条例とはなにか -町田市の場合-

 「条例」という言葉をきいたことがない方は、ほぼいらっしゃらないでしょう。けれど、それを説明するとなると、かなり、途惑われるのではないでしょうか。

 こういうときに便利なのが、国語辞典です。その代表格『広辞苑』では、「条例」が次のように説明されています。「(1)箇条書の法令。(2)地方公共団体がその管理する事務に関し法令の範囲内でその議会の議決によって制定する法」。なにかと、ユニークな語釈で有名な『新明解国語辞典』では、次のように記されています。「地方公共団体が日本国憲法第九四条に基づいて、法律の範囲内で制定できる、自主的な法規」。

 憲法がでてきましたね。そこで、法律関係書のリーダー的出版社である有斐閣の『法律学小辞典』に当たると、次のように記されています。「1、意義 地方公共団体がその自治立法権に基づいて制定する法規の1つ。規則とは異なり、条例の制定改廃は地方公共団体の議会の議決による〔自治96(1)1〕以下、略」。

 〔自治96(1)1〕とは、地方自治法第96条第1項第1号の謂いです。そこには、次のように記されています。議会の権限として「条例を設け又は改廃すること」。

 法律ですから、どうしても、難しいことばが多くなって読み辛かったとは思いますが、条例とは、簡単に言えば、地方自治体がつくる法律のことです。

 町田市の条例は、町田市のHPに掲示されていますので、ご興味のある方は、是非ご覧いただければと思います。⇒https://www.city.machida.tokyo.jp/shisei/

 全国の条例を、つぶさに調べたわけではありませんが、かなりバラエティに富んでいまして、たとえば、下記のようなものがあります。

 「子ほめ条例」鹿児島県志布志市、「子どもたちのポケットに夢がいっぱい、そんな笑顔を忘れない古都人吉応援団条例」熊本県人吉市、「キューピット条例(結婚促進)」三重県紀勢町、「みなべ町紀州南高梅使用のおにぎり及び梅干しの普及に関する条例」和歌山県みなべ町。

 最近では、「乾杯条例」がブームのようですね。それに関しては、「財政難の下でブランド競争を迫られる自治体側の事情が急速な普及の背景にある」との指摘があります。

 町田市には、まだ乾杯条例はありませんが、どんな条例があるでしょうか。町田市HPにすべての条例が掲示されていますので、ご興味のある方は、そちらをご覧いただければよろしいのですが、たとえば、「町田市職員定数条例」をみると、町田市の職員数は3,116人であることがわかります。

 今号の『はるかぜ』で、ふるさと納税の記事を記しましたが、納税された寄附金は、「町田市まちだ未来づくり基金条例」によって適正に管理します。

 町田市では、毎年5月に表彰式をおこないますが、どのような方を表彰するのかも、条例によって決めています。それは、次のように規定しています。「市政の振興、公共の福祉増進、文化の向上等に功労のあった者又は市民の模範となる者を表彰する」。

 わたしは、町田市消防団員でもあるのですが、団員になれるのはどのような方でしょうか。それも、条例に規定されており、次のような方です。「(1)町田市に居住する者、(2)年令18才以上の者、(3)志操堅固で身体強健な者」。

 現在、町田市消防団の団員は、条例ではその定員が660人と定められていますが、それを満たしてはおりません。これをご覧になって、消防団にご興味をもたれたら、是非、市役所の市民部防災安全課にお問合せください。ちなみに、団員の報酬は、これも条例に定められておりまして、年額103,000円となっています。

 わたしは、今年の3月から、市議会文教社会常任委員会に所属していますが、同委員会が所管する部は、条例によると、次の各部です。「市民部、文化スポーツ振興部、子ども生活部、教育委員会」。

 最後に、町田市民憲章をみると、そこには、次のように記されています。

1 わたくしたちは 市民としての自覚と誇りをもち 進んでその責任をはたしましょう

1  わたくしたちは 互いに自由を尊重し協力して 明るいまちをつくりましょう

1  わたくしたちは 教養をふかめ情操をやしない 風格あるまちをつくりましょう

1 わたくしたちは 老人を敬い 明日を担うすこやかな青少年を育てましょう

1 わたくしたちは 心と体を鍛え仕事にはげんで 豊かなくらしを築きましょう

 条例の世界は、なかなか奥が深いのです。