【箇所】早稲田大学 社会科学部 専門科目
【科目】政治行動論[4単位]
【担当】浅野 正彦〈拓殖大学 政経学部 法律政治学科〉教授
【夏季休業課題図書】
《構成》
1.前書き
2.各章の要約と論評
3.後書き
1.前書き
本書は序章から、第13章を終章とする構成をとっているが、当講義「政治行動論」の2006年度後期授業計画によれば、順序こそ本書の章立てに従っているわけではないものの、序章より第10章までをその範囲としているために、シラバスとの整合性を適えるために、本レポートにおいても第10章までを扱う。
2.各章の要約と論評
1)序章 戦略的思考とは何か
“著者まえがき”によれば、「戦略的思考の科学はゲーム理論と呼ばれる」のである。
その言は、“序章”において、「戦略的決定を研究する行動科学の分野は、ゲーム理論と呼ばれる」と、強化される。
ただ、その「ゲーム理論の科学はまだ発展段階で、戦略的思考はわざの面影をとどめている」、とのことである。
続いて、「この本を読み終えるまでには、読者は経営者あるいはスポーツ選手、政治家、親として以前より優れた戦略家になっているに違いない」、と著者は満腔の自信を吐露するが、果たして、読者である私は読後、「優れた戦略家」になっているのであろうか。
疑問と不安を覚える。
2)第1章 戦略ショートショート
P.22においてゲーム理論において、余りにも有名な、「囚人のジレンマ」がいよいよ登場する。
いうまでもなく、この「囚人のジレンマ」の場合の囚人は、ともに自白をしないほうがよい結果を生むのにもかかわらず、ともに自白をしてしまうことになる結果を招来するのである。
では、そのジレンマからどうやったら、囚人は逃れられるのか。
それは第4章において、明かされる。
個人的には、「アメリカズ・カップ」における、猿まねをすることによるリードの保存法と、「アコーディオン効果」に興味をもった。
現実においてこの猿まねをすることによって利益を得ている日本の家電メーカーに、松下電器があり、出版社では集英社があるものと思われる。
また、「アコーディオン効果」は、経済学でいう「バタフライ効果」と似た現象である、と認識した。
3)第2章 交互行動ゲーム
交互行動ゲームの一般的法則は、プレーヤーは相手の将来の対応を見極め、それに続く自分の最善の行動を推量しなければならないのであり、これは非常に重要で、戦略的行動の基本的鉄則である、と著者は記すが、これは、任意の個人が普段行っているごく当たり前のことである。
しかし、それでもなお、この記述は「ゲーム理論」の説明では、必須のものである。
この章において重要なのは、戦略的ゲームの連続した意思決定を表わすものを「ゲーム樹形図」、一人だけで行なう意思決定を表わすものを「意思決定樹形図」と呼ぶことである。
この「樹形図」の情報から全ての将来の行動を、予測することができる。
7.戦争と平和
ここで、国が攻撃を受けるかどうかは、「鎖状につながる好戦的国家の数が偶数であるか奇数であるかによって決まる」、との指摘には、妙に感心させられたものである。
つまり、ゲームの結果は、プレーヤーの数に大きくかかわっている、ということができる。
章末に出てくる「いずれリスクを負わなければならないのであれば、なるべく早く負うほうがよいことが多い」、という至極当たり前の指摘があるが、こうして理論的に説明されると、納得する。
4)第3章 同時進行ゲーム
一般的に、他のプレーヤーの戦略にかかわらず自分にとって他の戦略より常に有利な戦略があるとき、それを絶対優位の戦略という。
ここで、絶対優位の戦略をとる際における、よくある誤解について言及する。
絶対優位の戦略における絶対優位とは、自分の戦略のうち、ある戦略が自分の戦略の他のどれよりも優れているという意味であるが、時として相手の戦略より優れているという意味に捉える場合があり、それは誤解である。
このように、相手の戦略にかかわらず、自分のある戦略が自分の他の戦略より優れているとき、その戦略を絶対優位の戦略と呼ぶのである。
第二のよくある誤解は、絶対優位の戦略をとったときの結果は最も悪い場合でも、それ以外の戦略をとったときの最も良い場合を上回るというものである。
つまり、いつもそのような結果がもたらされるわけではないから、これも誤解になるのである。
このように、絶対優位の戦略がある場合には、相手の選択を気にかける必要はない。常に、絶対優位の戦略のみを選択すればよいからである。
こうして、絶対優位の戦略があるときにはそれを用いよ、というルールを設定することが出来る。
ただ、全てのゲームに絶対優位の戦略があるわけではなく、むしろあるほうが例外的である。
ここで、絶対劣位の戦略について、言及する。
絶対劣位の戦略とは、相手の選択とは無関係に他のどの戦略よりも劣ったもののことである。
こうして、絶対劣位の戦略を考慮の範囲から外したうえでさらに考察を進めよ、というルールが導かれる。
絶対優位の戦略と絶対劣位の戦略による単純化を完全に行うと、ゲームはそれ以上簡単にできないレベルに至り、どの戦略をとるかはいくら考えても堂々巡りに陥る。
そこで、均衡という状態の招来を求めることになる。
それは、他者の行動を前提にすれば、どちらも自分の戦略に変更を加える理由がない状態である。
これは、プリンストン大学のナッシュが発展させたので、ナッシュ均衡とよばれている。
こうして、絶対劣位の戦略を消去し、絶対優位の戦略を見つけようとしても解決に至らない場合には、ゲームの均衡点を探せ、というルールが得られる。
ここで、もう一度、念のためにおさらいをしておこう。
ゲームとは、戦略的駆け引きの場であり、自分の選択(戦略)の結果は他人と相互作用がある。
ゲームのプレーヤーは、まず、どちらかに絶対優位の戦略があるかどうかを見極める。そして、それがあるときには、それを行使する。
次に、もしどちらにも絶対優位の戦略がなければ、どちらかに絶対劣位の戦略があるかどうかを判断する。
もしも、それがあれば絶対劣位の戦略を考慮から外す。
もし、絶対優位の戦略も絶対劣位の戦略もないときは、どちらのプレーヤーにとってもライバルの行動に対し最善の行動となるような戦略のペアを探す。
このような均衡点が一つであれば、両者がそれを選択し、複数であれば、常識的なルールあるいは慣習によって一つに絞る必要がある。
このような均衡点が一つもなければ、ミックス戦略が必要となってくる。
5)第4章 囚人のジレンマ
囚人のジレンマの特徴は、それぞれが自分の利益を最大にするような絶対優位の戦略をとると、結局それぞれが自分の利益を最小にするような戦略をとる場合より悪い結果が生じる、というところにある。
では、どうして両者は自分の利益を最小にする戦略をとらないのであろうか。
これは、どうしても当事者は自らの利益を最大化することを望むからである。
こうして囚人は、その結果、利益を最小にする戦略をとった場合よりも少ない利益、つまり最悪の結果しか得ることが出来ず、ジレンマに陥る。
囚人のジレンマを認識した当事者は、なんとかしてそこから脱出し、全体として両方にとって好ましい結果を生むように協力できる道を捜すものである。
囚人のジレンマには共謀の合意を破ると得をするという問題がついてまわる。
それゆえ、裏切りを見つけるにはどうしたらよいかを探るのが、囚人のジレンマでは中心的な課題となる。
そこで、取り決めを行うことになる。
取り決めの対象はより透明度の高いものに重きを置き、その実、競争の対象はより透明度の低いものに移行する、ということである。
この現象は、不透明度増加の法則と呼ばれる。
この不透明競争は、二重の意味で好ましくない。
それは、価格が上昇し、製品の多様性が失われるからである。
面白かったのが、もしどこかで、さらに安い価格を見つけたら、差額を倍にして還元するという、「生涯低価格保証」という制度が、じつは、一見競争的に見えるものの、ライバルの価格を打ち負かすという約束は、価格カルテルを機能させる役割を果たしているという指摘であった。
囚人のジレンマにおける、望ましい罰則の条件を充たすことはかなり難しい。
しかし、アクスルロッドは、「反復行動(しっぺ返し)」のルールがこの条件によく当てはまると主張する。
反復行動は、やられたらやり返すという行動だが、ここでは最初の段階では協力を行ない、その後はその一つ前での相手の行動を繰り返すことを意味する。
アクスルロッドによれば、反復行動は有効な戦略に必要な4つの原則を備えている。それらの原則とは、明快、モラル適合性、制裁実行性、寛容であり、反復行動はそれをよく充たしている。
この反復行動の持つ明快、モラル適合性、制裁実行性、寛容という基本的性質は、囚人のジレンマから抜け出すためのルール作りに妥当なものである。
しかし、反復行動は、協力の実績を持っている相手方を罰するには、あまりにも性急である、という欠点もある。
最後に確認する。
囚人のジレンマにおいて、両方の囚人にとってのより望ましい結果は、お互いが、それぞれ自分にとっては選好度の低い戦力を選ぶときにもたらされる。
6)第5章 戦略活用行動
焦土作戦が功を奏すためには、侵略者が欲しているものを破壊する必要があり、それは必ずしも、現在の所有者が価値を置いているものとは限らないのである。
また、イニシアチブをとって先に行動することができる側は、条件なしの行動をとることで、戦略的に有利になりうる。
こちらがどういう行動をとるかを定めたものを「反応ルール」と呼ぶとすると、反応ルールには二つの大きな種類がある。
それは脅しと約束である。
戦略活用行動では、常に先に仕掛ける必要がある。
それに比して、反応ルールは、相手が行動する前に、提示しなければならない。
それゆえ、戦略活用行動がとられると、ゲームは交互行動ゲームになる。こちらが妥協を嫌い、先に一方的に行動すれば、相手は、こちらの条件なしの行動に反応して行動するだろう。
また、脅しと約束を使うならば、まずこちらで反応ルールを示し、続いて相手はそれを知ったうえで行動し、その後で、こちらは相手の行動に対し反応ルールを適用して行動することになる。
条件なしの行動や、反応ルールに基づく行動を確約すれば、同時進行ゲームは交互行動ゲームになる。
戦略活用行動には三つの基本的なもの以外に、さらに複雑なものもある。こちら側で反応ルールを使った戦略を行なうかわりに、わざと相手側にそれらの戦略をとらせることもできる。大別すると三つの可能性がある。
こちらが行動を起こす前に、相手に条件なしの行動をとらせる。
こちらが行動を起こす前に、相手の脅しを待つ。
こちらが行動を起こす前に、相手の約束を待つ。
以上の、三つである。
7)第6章 実行の確約
信頼性は、全ての戦略活用行動に共通の問題である。
条件なしの行動、脅し、約束を口頭でした場合、後に予定の行動がこちらの利益に反するとわかったとき、それらの行動をやり通すインセンティブはなくなる。
しかし、同時に相手の側も先読みして、こちらが言ったとおりの行動をとらないと予測するので、戦略活用行動は効果を失う。
戦略的な意味の信頼性を確立するためには、条件なしの行動、約束、脅しを実行していく必要がある。
信頼性は棚ぼたでは得られない。努力して稼ぐものである。
以下に、実行の確約を達成する八つの方法を挙げてみる。
これらの方法は三種類の原則を裏付けとしている。
最初の原則は、ゲームから得られる得失を変更すること。確約したことを実行するのが、自分の利益になるような状況をつくり出すのが狙いである。
代表的なものを以下に記す。
1、評判を確立し、それを利用する。
2、契約を締結する。
二番目の原則は、確約したことから後戻りできる余地を減らすようにゲームのやり方を変更することである。
それらは、以下の三つである。
3、ゲームやゲームの関係者との情報交換、接触を遮断する。
4、退路を完全に除去する。
5、成り行きを天にまかせる。
6、小さなステップに段階に分けて行動する。
6、に類することは既にデカルトも指摘している。曰く、「困難は分割せよ」と。
三番目の原則は、実行の確約を守るために、他者を介在させるというもの。
7、チームワークを通して信頼性を生み出す。
8、代理人に交渉させる。
8)第7章 予測不能性
この章で扱われているのが、ミックス戦略である。
それは、たとえばテニスにおいて、二人のプレーヤーの最善のミックスをそれぞれの観点から別々に計算して求めたところ、二つとも48%という同じレシーブ成功率に至った、ということにも現れている。
この結果は最小最大の定理と呼ばれ、プリンストンの数学者だった、ジョン・フォン・ノイマンとオスカー・モルゲンシュテルンが先駆をなした。
この定理は、当事者利害が完全に対立するゼロサム・ゲームでは、片側は、相手の最大利得が最小になるようにし、一方、相手側は自分の最小利得が最大になるようにする、というものである。
当事者がそのように行動すると、最大利得の最小は、最小利得の最大に等しい、という結論が導かれる。
このミックス戦略の均衡の一般的特徴として、均衡点においては当事者の各々は自分の選択についてどれを選んでも同じ結果になるということである。
このミックス戦略を、プレーヤーが選択するのは、自分の効用を最大にするためである。
ただし、この戦略では、正確な数値や断定的な結論を出すことは難しい。
また、一般的な特性ではないが、対称形をしているゼロサム・ゲームでは、自分も相手も期待効用はゼロとなるミックス戦略が必ず成立する。
9)第8章 瀬戸際戦略
瀬戸際戦略とは、今日では、対北朝鮮への政治スタンスでじつにしばしばお目にかかる言葉であるが、それが政治の舞台で脚光を浴びた最初のケースは、1962年のキューバ危機であった。
瀬戸際戦略とは、相手方を悲惨な状況の瀬戸際に立たせ、後退を余儀なくさせるという戦略である。
この瀬戸際戦略の本質は、危険を故意に作り出すことにある。
その際、その危険は相手方にとっては充分に大きく、結局、相手がこちらの希望に沿うように危険を根絶させるような行動をとらせるものでなければならない。
すなわち、瀬戸際戦略は、第5章で扱ったような戦略活用行動の一種である。
他の戦略活用行動と同様に、瀬戸際戦略は、相手の期待を変えることで相手の行動に影響を与えることを目的としている。事実、瀬戸際戦略は、特別な種類の脅しである。
瀬戸際戦略の危険な可能性は、ミックス戦略での偶然性に支配される場合とは、根本的に異なる。
瀬戸際戦略では、あえて危険な可能性を作り出すわけだが、もし、当たりくじを引いてしまった場合、脅しで宣言した行動を実行するのは、どうしても苦痛を伴う。
相手に脅しで宣言した行動が実行されると納得させるためには、また違う仕掛けが必要とされる。
また、瀬戸際戦略を実行する際には、常に瀬戸際を踏み外してしまう危険がついてまわる。
その例が、1989年6月に中国で起きた天安門事件である。
このように、究極的に成功する瀬戸際戦略は、いまだ芸術と冒険の域にある、といってもよい。
10)第9章 協力と協調
本章は、今日の経済学の基礎をつくったアダム・スミスが提唱した、余りにも有名な「神の見えざる手」の紹介から始まる。
それは、市場は効率的であり、政府は個人の利益を最大化するような利己的な行動に干渉すべきではない、というドグマによって形成されている。
ところが、アダム・スミスの見えざる手は、比較的小さい範囲にしか適用できない。
つまり、各人が自らの利益を追求することが、あらゆる機会に最高の結果をもたらす、という仮説は一般に正しいわけではない、のである。
それは、見えざる手は、価格がある状況でしか、適用できないからであり、そこでは、外部性をコントロールする術がないからである。
そうして、現出されるのが、囚人のジレンマの多人数版である。このジレンマから逃れるには、強制力のある申し合わせが必要となる。
また、キーボード配列の「Qwerty」の標準化は、経路依存性によって維持されたことが確認される。
経路依存性はほかにも、エンジンにガソリンが使われることや、原子力発電所に軽水炉が使われる理由にも当てはまる。
若手弁護士のなかから、法律事務所の共同経営者になる者を選抜する際には、行動が少しずつ行われる場合、各時点で選択される行動が大部分の意思決定者にとって好ましくみえるものであっても、最後に到達する状況は、全員にとって最初の状況より悪いものをもたらす、という事態を紹介する。
ここでは、賛成するときには少しだけ得をして、反対するときには大きく損をするというパターンが見られる。
ここにおいて、改革は小さなステップの連続としてではなく、包括された一つのものとして理解することの重要さも示される。
これを実践したのが、小泉改革であろう。
ジャステイン・ケースの話からは、どうせ失敗するなら、難しいことで失敗したほうがましだという結論が導出される。
日本で言えば、大学受験の際、東大を落第しても他大学に較べれば、ダメージが少ないことが、その実例として挙げられる。
逆行した、不毛の行動ではあるが、自分を傷つけるようなゲームから自分を守ってくれる見えざる手はないのである。
この章では、人の演じるゲームの中で、敗者のほうが勝者より多い例を扱った。
歩調を合わせないで、選択を行うと社会全体にとって好ましくない結果が生み出されるのである。
結論として、自由市場は常に正しい結果を導き出すとは限らない、のである。
それは、経路依存性と外部性によって、惹起される。
11)第10章 投票
投票によって示された人々の意思を尊重するというのが、民主主義政権の基礎となっている。
しかし、残念ながらこの高貴な考え方を実現させることは、決して易しいことではない。
たとえば、選択肢が三つ以上ある選挙では、投票するかしないかに加えて誰に投票するかも決めなければならない。そのときには、自分の最も好む候補に投票することが、常に正しい選択になるとは、限らない。
なぜならば、投票者は自分の票を、たとえ好む候補者であっても彼(女)が泡沫候補であれば、彼(女)のために浪費することは避けようとするからである。
また投票者は、自分の票が、大勢のなかに埋没することを防ごうともするものでもある。
ただ、結果として、上記のこととは無関係に、自分の好みを正直に表わすことが、投票者には絶対優位の戦略となる。
しかし、この方法には応用範囲が狭いという問題がある。
最も普通に使われる投票の方法として、単純多数決があるが、この方法は驚くべきことに、全員の効用が低下するという場合を招来することもある。
また、多数決に伴う問題は、手続きに細工を加えることで結果を操作できる。
3.後書き
これは、社会科学の翻訳書全般にいえることであるが、原書と翻訳書とのあいだに齟齬が生じているにもかかわらず、その理由がどこにあるのか確定できないもどかしさを本書にも感じた。
その顕著な例として、各章において、数字ごとの項目の続き具合が、どうしてそのように配列されているのか、理解できないことが実にしばしば本書ではみられた。
たとえば、第10章において、「7.汝の敵を愛せよ」と、「8.ケース・スタディ10予算のカクテル」の続き具合は、筆者にとって理解の外であった。
本書はいうまでもなく、「ゲーム理論」を説明した書であるが、たしかに、理論的には納得できるものが多く記されてはいた。
たとえば、絶対優位の戦略など。
けれど、さて、この戦略をとることがゲーム理論では正しくとも、それを取りたくない、という心情がプレーヤーにあるとき、それを克服する手段をあわせて提示してくれれば、本書はより実践的なものとして、読者の胸を打ったことであろう。