町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

『都市』第61号 「俳句と私」俳句

2018.02.15(木)

自選五句

たんぽぽや終に子どもは授からず
寒星やメニューに見入る老夫婦
片想ひ独活の天ぷら噛みしめて
完璧な蟹股歩きやませ吹く
漱石忌卵落としてカリー食ぶ

「俳句と私」
 ressentimentというフランス語を、私は日本語として覚えました。

 このルサンチマンを、広辞苑(第二版補訂版)にあたると、「怨恨・憎悪・嫉妬などの感情が反復され内攻して心に積っている状態」と記されています。私が俳句を詠むのは、まさにルサンチマンによるのです。

 「怨恨・憎悪・嫉妬などの感情が反復され内攻して心に積って」くると、それらを吐露しないと苦しくなります。そんなとき、「こん畜生」とおもいながら俳句を詠むと、心が平らかになってくるのです。花鳥諷詠は、あらばこそ、です。

 心に積った憂さを晴らすために、俳句を詠む、これが「俳句と私」とのただならぬ関係です。