町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

らん読日記 記事一覧らん読日記

西尾 隆『公務員制とプロフェッショナリズム』(公務研究1巻1号)

2007.11.22(木)

 西尾 隆(国際基督教大学 教養学部)教授による、『公務員制とプロフェッショナリズム』は、「公務研究1巻1号」(良書普及会)に掲載されたものである。

1、概要
1 はじめに
 日本の公務員は、どの程度「プロフェッション」と呼ぶのにふさわしい職業なのか。

 ただしこの問いはもはや、アメリカ行政学では古典的なテーマとなっている。
 こここにおいて公務員は、選挙によって選ばれる政治家とも、資格と能力は問われない一般市民とも異質な、公務という呼び方でアイデンティファイしうる内的条件と自律化の制度的契機をもたない限り、専門職業家と呼ぶことに躊躇してしまう存在となっている。

続きを読む

兼子 仁『新 地方自治法』(岩波新書)

2007.10.27(土)

 たとえば今年度(2007年度)、早稲田大学法学部での講義「地方自治法」を担当しているのは、中央大学大学院公共政策研究科客員教授の辻山幸宣(地方自治総合研究所所長)先生です。

 辻山先生が、同科目参考文献の一冊として本書を挙げていることからも分かるように、本書は地方自治法についての欠くべからざる基礎文献です。

続きを読む

中野 好夫『アラビアのロレンス』〔改訂版〕(岩波新書)

2007.10.19(金)

 デヴィッド・リーン監督によるアカデミー賞受賞の名画、『アラビアのロレンス』ももちろんお奨めですが、今回採り上げるのは、中野好夫による岩波新書『アラビアのロレンス』です。

 ぼくが映画『アラビアのロレンス』を観た(新宿武蔵野館)のは、中学1年の時でしたから、その面白さを十全に感得することができたのか、といえば、かなり心許ないものがありますが、今回、新書判とはいえ本で読むと、あらためてアラビアのロレンスの偉大さ、風変わりさを味わうことができました。

続きを読む

竹内 洋『大学という病―東大紛擾と教授群像』(中央公論新社;中公叢書)

2007.09.19(水)

 本書は、教育社会学を専攻する、竹内洋(京都大学名誉教授)による、第13代東大総長平賀譲によって粛学を断行された、東京帝国大学経済学部の紛擾を描いたもので、それは、近代日本の大学史研究の中では必ずふれられる定番のテーマとなっている題材です。
 初出は、「大学という病」というタイトルで、『中央公論』2001年1月〜8月号に連載されたものです。

続きを読む

樋口 陽一・山内 敏弘・辻村 みよ子『憲法判例を読みなおす』(日本評論社)

2007.07.26(木)

「選挙権」―在宅投票制廃止訴訟・議員定数訴訟・戸別訪問禁止違憲訴訟―

【緒論】
 日本国憲法15条1項に、公務員の選定・罷免権を「国民固有の権利」と定め、判例も「選挙権は国民の最も重要な基本的権利」であるとしている。
 しかし、この選挙権の内容に何を含ませるか、選挙権に公務的性格もあわせて認めるかという点になると、見解は必ずしも一致しているわけではない。

続きを読む

金 基成「社会関係資本と地方政府の役割」(日本公共政策学会『公共政策研究』第5号pp.130-140、有斐閣)

2007.07.25(水)

金 基成(山梨大学 工学部 循環システム工学科)准教授
「社会関係資本と地方政府の役割」―制度と文化の相互強化的好循環の可能性―
※ 要約
 本研究の目的は、政府政策が社会関係資本(ソーシャルキャピタル)の形成とパフォーマンスの向上に影響するという、最近の社会関係資本概念を巡る理論的論点の蓋然性について、日本の事例を通じて検討することである。
 そのため、まず、ソーシャルキャピタルを媒介にした、制度要因と文化要因の相互強化的な好循環の可能性を明らかにする。

続きを読む

田村 正勝『新時代の社会哲学』[新装版]−近代的パラダイムの転換(早稲田大学出版部)

2007.07.24(火)

 田村正勝先生は、早稲田大学社会科学総合学術院教授であり、らん丈は、社会科学部では「社会科学方法論」を、大学院社会科学研究科では「社会哲学」1・2を、それぞれ受講しました。
 なお本書は、2007年度「社会哲学」1でのテキストでした。

 因みに、田村先生の恩師は、早稲田大学大学院経済学研究科において、難波田春夫先生(社会哲学)と小松雅雄先生(経済政策)でした。

2社会科学の本質と課題 2 社会科学の主観性・客観性・実践性
5 政策論の定位 pp.159〜162
 政策論は、社会科学全体からみると、どのように位置づけられ、展開されるのか。

続きを読む

梅田 次郎「意識改革と政策形成:三重県庁における自治体組織運営の変革プロセス」(日本公共政策学会『公共政策研究』第2号pp.55-69、有斐閣)

2007.07.23(月)

【要約】
 三重県が事務事業評価システムを導入した狙いは、職員の意識改革と政策形成能力の向上を図るためであった。

 それは、自治体職員の意識構造は、明治以来の中央集権体制によって、創造性より中央政府への配慮を何よりも優先させていたという一種の宿痾に冒されていたからであり、三重県はその克服を志向したのである。

 この改革は、1995年から始められ、それは「伝統的経営」から「企業的経営」へ、そして「ネットワーク型経営」へと至る戦略を構築するものである。

続きを読む

丸谷 才一『樹影譚』(文春文庫)

2007.06.12(火)

1)恰好
 この小説は、画然と3つの部分に分けられた構成となっている。
 それらはただ時間的、全体的に3つの部分に区切ったわけではなく、それぞれに異なった小説的機能を有した3つの別種のブロックによって形成されたものとなっている。

(1)前置き
 丸谷才一と思しき作者は垂直な壁に映る樹木の影に、魅かれている。
 何故かしらそれに昔から心を惹かれる傾向がある。ただ作者は、それが何故であるのか、明確な理由、根拠が思いつかない。 それを出しに小説を書いてみようとしているのだが、それに着手することができずにいる。
 それは作者が数年前に、どこかで、似たような筋立てのナボコフの小説を読んだことがあるからである。

続きを読む

新藤 宗幸『講義 現代日本の行政』(東京大学出版会)

2007.05.06(日)

 新藤宗幸先生は、2001年度までは立教大学法学部教授をつとめられ、2002年度からは千葉大学法経学部(当時)教授となり、その後、同大学名誉教授となりました。
 らん丈は、2000-2001年度立教大学経済学部に在学しており、そこで、他学部の科目履修制度を利用し、新藤先生の「行政学」を2000年度に受講しました。ただし、試験は未受験でしたので、単位は修得しておりません。

第2章 権限・権力・行動

〔はしがき〕
 本書はしがきに著者が記すように、“精緻に組み立てられた生涯職官僚機構と経済社会と(の)あいだに緊張関係を欠いてきたことが、今日の閉塞状況をもたらしているとの観点に立って、現代日本の行政システムの特徴を描き出す”のが、本書を通じてのモティーフである。

続きを読む