町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

早稲田大学大学院 法学研究科「地方自治法研究」Ⅰ『議会への請願とその対処について』大学での活動

2009.06.24(水)

箇所:早稲田大学大学院 法学研究科 公法学専攻
科目:「地方自治法研究」Ⅰ
開講学期[単位数]:2009年度 前期[2単位]
担当:辻山 幸宣〈地方自治総合研究所所長、中央大学大学院客員〉教授 
課題:『議会への請願とその対処について』

1、請願権
 「請願権は、歴史的には、専制君主の絶対的支配に対して、国民が自己の権利の確保を求める手段として発達してきた権利であり、かつては国民が政治的意思を表明するための有力な手段であった。

 ところが、現代では、国民主権に基づく議会政治が発達し、言論の自由が広く認められるようになり、請願権の意義は相対的に減少している。それでもなお、国民の意思表明の重要な手段として「参政権」的な役割を果たしている。

 憲法16条は、「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有」する旨定めている。ここに請願とは、国または地方公共団体の機関に対して、国務に関する希望を述べることである。

 したがって、請願権の保障は、請願を受けた機関にそれを誠実に処理する義務を課するにとどまり(請願法五条)、請願の内容を審理・判定する法的拘束力を生ぜしめるものではない。」

 大日本帝国憲法では、請願に関しては下記の通りである。
三〇条 日本臣民ハ相当ノ敬礼ヲ守リ別ニ定ムル所ノ規程ニ従ヒ請願ヲ為スコトヲ得(日本臣民は敬意と礼節を守り、別に定めた規定に従って、請願を行う事が出来る) 
五〇条 両議院ハ臣民ヨリ呈出スル請願書ヲ受クルコトヲ得(両議院は臣民より呈出された請願書を受け取る事が出来る) 

2、地方自治法にみる請願
124条  普通地方公共団体の議会に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない。

125条  普通地方公共団体の議会は、その採択した請願で当該普通地方公共団体の長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会又は監査委員その他法律に基づく委員会又は委員において措置することが適当と認めるものは、これらの者にこれを送付し、かつ、その請願の処理の経過及び結果の報告を請求することができる。

3、新聞記事にみる「請願」
 自治体に要望がある時、住民が議員を通じて「お願い」する制度。請願は地方自治法に規定があり、紹介議員を通して議会委員会で討議される。陳情に規定はないが、議員に問題を取り上げるよう要請する方法として知られる。いずれも伝統的な住民参加の手段だ。
 だが有効に機能しているとは言い難い。札幌市議会では03年からの3年半で154件の請願があったが、委員会での継続審議は4件で他は不採択。陳情も同様だ。

 請願を出すのが特定政党に偏っていることもあるが、議員が地元の意向を聞いたという「アリバイ作り」のため利用している側面も。ただ、住民投票や監査請求などが時間も手間もかかるのに対し、請願・陳情は声がすぐ届く便利さがある。

 議員の対応次第で有効な住民参加の手段になりうる。(朝日新聞2007年6月10日朝刊)

4、東京都議会における請願への対応
請願・陳情ガイド
 東京都議会は、条例や予算、契約などの議案を審議し、その可否を決定するなどの活動を行っています。こうした活動の中に、都民の方々の要望や意見を都政に反映させるための、請願・陳情制度があります。 

 都議会に対して請願書を提出する場合は、都議会議員の紹介を必要とします。請願は、委員会での審査後、本会議において、採択又は不採択の決定を行います。採択されたもののうち、執行機関で処理することが必要なものは、これを知事などに送付し、その処理経過及び結果の報告を求めます。 

 都議会議員の紹介のないものは陳情として受け付けます。陳情の内容、形式などの要件が請願に適合していると議長が認めたものは、原則として請願に準じて取り扱われます。陳情の書式、手続きなどについては、以下の説明文中「請願」を「陳情」と読み替えてください。 

第1 請願書・陳情書の提出方法
※陳情書については、以下の説明文中の「請願」を「陳情」と読み替えてください。 
1 書式
(1)請願書 
 次の事項を邦文で記載した請願書を議長あてに1部提出してください。別記の様式例以外のものでも、必要事項が記載されていれば受け付けます。 
・ア 件名(40字以内) 
・イ 願意(請願の趣旨を明確かつ簡潔に記載したもの) 
・ウ 理由(願意の根拠及び理由を1,500字以内に記載したもの) 
・エ 提出年月日 
・オ 請願者の氏名・住所・電話番号(法人などにあっては、その所在地及び名称) 
・カ 請願者(法人・団体などにあっては、その代表者)の署名 
・署名は、自署(自己の氏名を本人が書き記したもの)が原則で押印の必要はありません。ただし、自署できない特段の理由がある場合は、記名(氏名を他人が代わって書いたり、ゴム印や印刷などで記載したもの)でも結構ですが、押印が必要になります。 
・キ 表紙に請願を紹介する議員の署名(陳情の場合は不要) 

(2)署名簿 
 多数で請願をするときは、署名簿を以下のように、請願書に添えて提出してください。 
・ア 件名及び願意 
・署名者(代表者以外の請願者)が、請願の趣旨に賛同していることが確認できるように、各署名用紙ごとに請願の件名・願意などを記載する。 
・イ 署名者 
・住所及び氏名を自署することを原則とする。ただし、自署できない特段の理由がある場合は、記名でもよいが、押印を必要とする。(記名であって押印を欠くものは無効となる。) 

2 受付
受付時間 
東京都の休日(土・日曜、休日及び年末年始)を除く午前9時から午後5時まで 
受付窓口 
〒163-8001 新宿区西新宿2-8-1 電話:03(5320)7132 
東京都議会議会局議事部議案法制課(都議会議事堂4階中央) 
郵送による受付 

 請願は上記窓口で受け付けていますが、持参が困難な場合には郵送でも受け付けています。ただし、この場合は、事前に受付窓口に問い合わせるなどして、記載事項に不備がないようにしてください。 

3 提出に当たっての留意点
 地方公共団体の議決機関としての議会の性格を踏まえ、公序良俗に反する行為を求めるもの、個人の秘密を暴露するもの、司法権の独立を侵すおそれのあるもの、都の職員に懲戒などの個別の処分を求めるものなど、請願になじまないものはご遠慮ください。 

第2 審議・決定の流れ
1 文書表の作成
 提出された請願書に基づき、以下の要領で請願文書表を作成します。 
・ア 願意は、所管する委員会ごとに整理して記載する。 
・イ 理由が長大にわたるときは、その要旨を簡潔にまとめて記載する。 
・ウ 請願書に東京都議会情報公開条例(平成11年東京都条例第4号)第7条に該当する非開示情報である個人情報などが記載されているときは、当該条例の趣旨を踏まえ、秘密保持のための適切な措置を講じる。 
・エ 願意及び紹介議員が同一の請願書は、原則として、1件の請願として文書表を作成する。 
・オ 使用する用字、用語は、東京都公文規程(昭和42年制定)の定めるところによる。 

2 委員会への付託
・請願は、議員全員に文書表を配布し、所管の委員会に付託します。 
・議会の会期最終日の前日の正午までに受理したものは、当該議会において委員会に付託します。 
 その後受理したものは、次の議会において委員会に付託します。ただし、次の陳情は、委員会では審査せずに関係議員に写し(又はその要約したもの)を送付し、閲覧に供します。 
・ア 基本的な人権を否定するなど、違法又は明らかに公序良俗に反する行為を求めるもの 
・イ 個人の秘密を暴露するもの 
・ウ 係属中の裁判事件に関するものなど、司法権の独立を侵すおそれのあるもの 
・エ 都の職員の身分に関し、懲戒、分限など個別の処分を求めるもの 
・オ 東京都の事務に関係しない事項を願意とするもの 
・カ 採択、不採択などの議決のあった請願又は陳情と同一趣旨のもので、その後、特段の状況の変化がないもの 
・キ はがき、メモ用紙などで提出されたもので、趣旨、理由などが明確に記載されていないもの 
・ク 前各号のほか、委員会付託になじまないと議長が認めたもの 

3 訂正・取下げ
 請願の一部を訂正し、又は取下げようとするときは、紹介議員の了解を得て、所定の様式に記載して、申請してください。 

4 審査
・委員会は、原則として、請願の付託を受けた議会の次の議会(定例会)までにこれを審査します。なお、付託の議会が臨時会の場合は、次々回の議会(定例会)までに審査します。 
・審査は原則として、文書表で行います。 
・委員会は、原則として公開で行われ、その記録や文書表も公開されます。 

5 結果の通知
 議決の結果については、採択、不採択のいずれの場合にも、請願者(複数で請願された場合は代表者)に通知します。なお、委員会などの審査で結論の出なかったものについては、請願者に通知しませんが、都議会議員の任期切れにより、審議未了廃案となった場合には、お知らせします。 

平成21年第1回定例会付託
請願
番号 件名 付託委員会 受理年月日 結果 備考
付託年月日 
審査年月日 
議決年月日 
21第1号 府中病院、神経病院、府中療育センター、多摩療育園の民営化反対と都直営に関する請願 厚生委員会 平成21年 1月28日 不採択 
平成21年 2月26日 
平成21年 5月27日 
平成21年 6月 5日 
21第2号 工業用水道料金の減免措置及び減免率の継続に関する請願
公営企業委員会 平成21年 2月 9日 意見付採択 
平成21年 2月26日 
平成21年 3月17日 
平成21年 3月27日 
21第3号 3月の都立八王子小児病院を廃止する条例に反対し存続を求めることに関する請願 厚生委員会 平成21年 2月18日 不採択 
平成21年 2月26日 
平成21年 3月19日 
平成21年 3月27日 
21第4号 築地中央卸売市場の豊洲(東京ガス工場跡地)への移転中止に関する請願 経済・港湾委員会 平成21年 2月24日 不採択 
平成21年 3月27日 
平成21年 5月27日 
平成21年 6月 5日 
21第5号 後期高齢者医療制度の廃止に関する請願 厚生委員会 平成21年 3月 3日 不採択 
平成21年 3月27日 
平成21年 5月27日 
平成21年 6月 5日 
21第6号 「グッドライフ三鷹寮・野崎寮」の増設及び開設・開業に関する請願
厚生委員会 平成21年 3月 4日 意見付採択 
平成21年 3月27日 
平成21年 5月27日 
平成21年 6月 5日 
21第7号 後期高齢者医療制度の廃止に関する請願 厚生委員会 平成21年 3月 9日 不採択 
平成21年 3月27日 
平成21年 5月27日 
平成21年 6月 5日 
21第8号 都立広尾病院を都立のままで存続・充実することに関する請願 厚生委員会 平成21年 3月10日 不採択 
平成21年 3月27日 
平成21年 5月27日 
平成21年 6月 5日 
21第9号 東京の学校で30人学級(少人数学級)を実施することに関する請願 文教委員会 平成21年 3月26日 不採択 
平成21年 3月27日 
平成21年 5月27日 
平成21年 6月 5日 
21第10号 京王線の連続立体交差化を地下方式とすることに関する請願 環境・建設委員会 平成21年 3月26日 継続審査
21.5.26
平成21年 3月27日 
21第11号 放射第23号線の世田谷区内予定区間の計画中止又は地下方式への計画変更に関する請願 環境・建設委員会 平成21年 3月26日 取下げ
21.5.22
平成21年 3月27日 
請願・陳情の要旨
審査結果 意見付採択
備  考 (意 見)趣旨にそうよう努力されたい。 
件  名 工業用水道料金の減免措置及び減免率の継続に関する請願
番   号
付託委員会 21第  2号   公営企業  委員会付託
(願  意)
平成20年度をもって終了予定の油脂・皮革関連企業に対する工業用水道料金減免措置及び減免率を継続していただきたい。

(理  由)
油脂・皮革関連の事業者は、ほとんどが従業員4人以下の零細企業であるが、水使
用量に関しては、1日50トンから300トンを使用する大企業並みの用水型産業である。
 上・下水道及び工業用水道料金は、減免後においても月額50万円以上という零細企業の規模を超える経費負担となり、経営を圧迫している。このため、現在実施されている逓増料金制度の下では、零細企業の現状を踏まえ、特別の配慮が必要とされている。 
 皮革関連産業は不況業種に指定されており、中国製品など安価な製品の台頭という経営環境の中で、工業用水道料金などを商品価格に転嫁できる環境ではない。また、「百年に一度」といわれる規模の世界同時不況は、皮革関連業界を直撃している。さらに、FTA(自由貿易協定)の推進による皮革関連製品の輸入増加は、より経営を厳しくさせているとともに、油脂業界においてもBSE(牛海綿状脳症)の影響が依然重くのしかかっており、先行き不安が増加している。

 東京都の工業用水道料金は、兵庫県、和歌山県などと比較しても大幅な格差があり、国際競争に加え国内の同業者との競争にもさらされている。減免措置が打ち切られると国内外の競争の下で廃業を余儀なくされる現状にある。

 さらに、油脂業界においては臭気対策、皮革関連業界においては排水対策など、いわゆる公害関連対策の実施が経営コストに大きく影響を与えており、廃業が後を絶たない現状にある。被差別部落の伝統的地場産業として発展してきた油脂・皮革関連産業の存続を図るためにも、都は平成8年の地域改善対策協議会意見具申を尊重し、請願内容を実現すべきである。

※ 採択されたものについて、要旨を掲載しています。 

5、町田市議会会議規則
 (請願の審査報告)
第136条 委員会は、請願について審査の結果を次の区分により意見を付け、議長に報告しなければならない。
 (1) 採択すべきもの
 (2) 不採択とすべきもの
2 採択すべきものと決定した請願で、市長その他の関係機関に送付することを適当と認めるもの並びにその処理の経過及び結果の報告を請求することを適当と認めるものについては、その旨を付記しなければならない。
 (請願の送付並びに処理の経過及び結果報告の請求)
第137条 議長は、議会の採択した請願で、市長その他の関係機関に送付しなければならないものはこれを送付し、その処理の経過及び結果の報告を請求することに決したものについてはこれを請求しなければならない。

5、町田市議会における請願者への対応
 請願は、憲法にあるとおり、国民に与えられた権利である。
 それを行使する国民に対し、議会はそれを真摯に審議することによって、応えようとするものである。
 ところが、たとえば、都議会の場合、かぞえ方にもよるが、231件の請願・陳情に対し、採択件数はわずかに17にとどまる。
 札幌市議会では、154件のうち、150件が不採択とされた。
 これでは、請願者の願意が、なかなか実現されない事態を生じさせてしまう。

 ちなみに、町田市議会では、平成16年から21年までの6年間における採択率は、58.0%である。
 そこで、町田市議会では、請願者の願意を直接委員会の場で聴くことを主旨とする、「町田市議会における請願者の意見陳述について」を、議会改革調査特別委員会において、全会一致をもって議決した。

 それを昨日(6月23日)の、町田市議会本会議において、「委員会提出議案第1号   証人等の実費弁償に関する条例の一部を改正する条例」を提出し、これも全会一致をもって可決された。

 なぜ証人に実費弁償を支給するのかは、地方自治法がつぎのように定めているからである。

207条  普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、第七十四条の三第三項及び第百条第一項の規定により出頭した選挙人その他の関係人、第百九条第六項(第百九条の二第五項及び第百十条第五項において準用する場合を含む。)の規定により出頭した参考人、第百九十九条第八項の規定により出頭した関係人、第二百五十一条の二第九項の規定により出頭した当事者及び関係人並びに第百九条第五項(第百九条の二第五項及び第百十条第五項において準用する場合を含む。)の規定による公聴会に参加した者の要した実費を弁償しなければならない。

 町田市の場合は、市内の最も離れた地から委員会が開かれる町田市役所本庁舎までの公共交通機関による運賃が480円になることから費用弁償を1,000円とした。