
【青桐集】
手の脂染む広辞苑百日紅
歯を抜かれ日傘を差して帰りけり
甘食を親子で分けてうららけし
雛飾り目の端に留め靴を履く
宮崎斗士(海原)評:雛の間に招かれ、その艶やかさによいしれたひととき。
中七下五から名残惜しさが無理なく伝わってくる。同じらん丈さんの「手の脂
染む広辞苑百日紅」にも共鳴。百日紅の花期の長さがよく働いている。
酔ひ醒めて風船に息吹き入れる
【都市集】
広辞苑軽く感ずる木の芽晴
空き家をば我が物顔に小鳥の巣
葉ざくらやその下で舞ふおばあちやん
親不孝あやめを見ては思ひ出す
滴りをいつまでも追ふ水面まで





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