【青桐集】
 客人の帽子出てくる春炬燵
主宰寸評: この客人は気の置けない間柄のようだ。
炬燵に招かれて、脱いだ帽子を脇へ置いたつもりが
炬燵の中に入ってしまった。長尻をして「ではっ」と、
帰るときに帽子を忘れたのだ。面白い句である。
今瀬一博(「対岸」「沖」同人):何となく思い切れ
ず仕舞えないでいた「春炬燵」の、興ざめな存在感。
「客人」の忘れ物は、冬帽か。益々拍子抜けの作者の
表情が見えるような作品。
 春めきて地卵いよよ重み増し
 菜の花や吹けないくせに口笛を
 クラス替へ決まり見詰むる雪柳
 相撲取自転車こいで風薫る
【都市集】
 凍解や自転車のベル高らかに
 永き日の美術館にて友と遇ふ
 太公望釣竿上げて桜守
 献血の帰りに開く春日傘
 斜交ひの麦藁帽子直されて





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