町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

『はるかぜ』vol.31 2021年3月号市政報告『はるかぜ』

2021.03.22(月)

『市長の施政方針』
・ 『市長の施政方針』への自由民主党代表質疑

『市長の施政方針』

『市長の施政方針』

 日本の国会は国会法により、毎年1月に常会(通常国会)が召集されます。そこで、首相による施政方針演説をはじめとする、政府四演説がおこなわれ、論戦の火ぶたが切られます。

 米国で日本の施政方針演説に相当するのが、大統領が上下両院合同会議で実施する「一般教書演説(State of the Union Address)」です。くわえて、予算編成の基本方針である「予算教書」、当面の経済情勢についての立場をまとめた「大統領経済報告」と合わせて大統領の「三大教書」と呼ばれています。

 町田市議会のような地方議会の第1回定例会は、通常2月に招集され、3月末までの会期で開催されます。

 ですから、ただ今、令和3年第1回町田市議会定例会の真っ最中です。市議会でも、施政方針演説は当然のことながら、第1回定例会でおこなわれます。今年は、2月24日の本会議にて、市長による施政方針が表明されました。この施政方針には、市長が、令和3年度にどんな施策を展開しようとしているのか、そのエッセンスが詰まっています。

 ここでは、それをかいつまんでご紹介いたします。

 まず、町田市をこのように、紹介しています。「町田市は、その立地、あるいは交通利便性、都市とみどりの“ちょうどよさ”などから、人々の暮らし方や働き方に対する価値観の変化を受け入れるポテンシャルを多分に秘めております」。

 次に、(2021年度の主要な取り組み)を開陳しています。4つのまちづくり基本目標ごとにご説明いたします。

 1つ目は、「将来を担う人が育つまちをつくる」についてです。

 「町田市では、他自治体に先駆けて、タブレット端末やプロジェクターを各学校に配備し、ICTの活用に力を入れてまいりました。そして、国が示すGIGAスクール構想を受け、児童・生徒1人1台のタブレット端末の配備と、小・中学校の高速大容量通信ネットワークが整いましたので、2021年度は学校教育のデジタル化を更に加速してまいります」。「同じく教育環境という点で言いますと、改築中の町田第一中学校につきましては、二学期から新校舎を使用できるよう、工事を進めてまいります。そして、新校舎では、交流ホールや武道館、学校図書館、音楽室などを地域の皆様に開放し、子どもたちの成長を温かく見守っていけるような、学校を支える地域づくりに努めてまいります」。

 「中学生全員に安全・安心で、栄養バランスが整えられた「温かい給食」を提供するため、給食センター方式による全員給食を目指して、基本計画を策定をいたします」。

 まちづくり基本目標の2つ目「安心して生活できるまちをつくる」についてです。

 まずは、新型コロナウイルスの感染予防対策に最優先で取り組み、一日も早く、市民の皆様が安心して生活できる環境を取り戻してまいります。そのため、町田市発熱相談センターと地域外来・検査センターの体制を引き続き維持し、感染症の拡大防止に努めてまいります

 町田リサイクル文化センターは、2022年1月に、「町田市バイオエネルギーセンター」と名称を変え、装い新たに生まれ変わります。この新しい熱回収施設は、生ごみ等を発酵させて取り出すガスやごみの焼却熱を利用して発電を行うなど、効率良く、多くのエネルギーを創り出す施設となります。

 まちづくり基本目標の3つ目「賑わいのあるまちをつくる」 についてです。

 町田駅前の中心市街地に関しましては、都市再生整備計画を策定し、この計画に基づいて、2021年度は原町田大通りを使った社会実験を行います。具体的には、車道や歩道の一部を、休憩や飲食ができる「パークレット」に転用し、新たな憩いと賑わいの空間を創り出します。

 4つ目「暮らしやすいまちをつくる」についてです。

 多摩都市モノレールの延伸ルートが近く確定し、次の段階に大きく進み出すタイミングを迎えます。

 続いて、2021年度に取り組む行政経営改革について、3つの 「行政経営基本方針」ごとに説明をいたします。

 基本方針の1つ目である「市民と問題意識を共有し、共に地域課題に取り組む」についてです。

 職員がいわゆる「プラットフォーマー」として、地域の人と人をつなぎ、対話をしながら、地域の課題解決を図るとともに、地域の魅力を向上させ、市民の皆様と一緒に明るい未来を創ってまいります。

 基本方針の2つ目である「市民の期待にこたえられるよう、市役所の能力を高める」についてです。

 デジタル化のフロントランナーとして、行政手続きの原則オンライン化を強力に進めるとともに、キャッシュレス化、介護認定業務や教育現場におけるタブレット活用を促進するなど、行政のデジタル化を加速度的に推し進めてまいります。

 基本方針の3つ目であります「いつでも適切な市民サービスが提供できる財政基盤をつくる」についてです。

 2021年度の事業の選定に当たりましては、市民の皆様 の生活や市内経済を支える施策を優先的に選定する一方、実施時期 の見直しや事業の縮小、廃止など、全ての事業を抜本的に見直しました。あわせて、行政運営をより一層効率的なものとしていくため、一例ですが2021年度は市役所全体の時間外勤務時間を30%削減するという目標を掲げました。

 以上のような考え方で編成いたしました2021年度の当初予算案の規模は、一般会計、1,738億4,207万円 特別会計、1,264億7,233万円 合計、3,003億1,440万円 となっております。 2020年度の当初予算金額との比較では、一般会計4.7%増、特別会計4.0%増、合計4.4%増となっております。

詳細は、こちらのURLにて、『施政方針』をご覧になれます。

『市長の施政方針』への自由民主党代表質疑

 本稿1頁から「市長の施政方針」の概要をお示しいたしましたが、それについて、3月5日の町田市議会本会議において、各会派代表と個人による質疑がおこなわれました。

 以下、わたしが属す自由民主党会派の代表質疑の概要を、ご紹介いたします。なお、詳細は、町田市議会本会議録画中継にてご確認できます。

1、令和3年度当初予算について

令和3年度当初予算をどのような考え方をもって編成したか。その結果、5ヵ年計画17-21で示された財政見通しと比較して、計画最終年度はどうなるのか、についてお聞かせください。

市長答弁

まず、予算編成に当たっての考え方でございますが、新型コロナの影響から、歳入の根幹である市税収入が減少するなど、歳入予算の大幅な減少が見込まれます。特に個人市民税と法人市民税は大きく減少が見込まれています。また、安定的な歳入を見込んでいた固定資産税も減免措置が講じられるなど、市税収入全体では、2020年度当初予算と比較して約52億円下回り、636億円となる見込みです。

一方、歳出においては、少子高齢化が進む中、社会保障費が増加し、構造的収支不足が進行するとともに、都市インフラの老朽化に伴う維持補修に加え、循環型施設整備費工事や町田第一中学校増改築工事が最終年度を迎え、工事費がピークとなり、歳出は増加する見込みでございます。

まさに、こうした状況の中で、2021年度の予算編成に当たっては、市民の皆様の生活や市内の経済活動を支える事業、アフターコロナを見据えたデジタル化等の新たな課題に対応すべき事業、まちの魅力向上につながる事業に重点的に取り組むなど、緊急性や費用対効果が高い事業に絞って編成いたしました。

次に、町田市5ヵ年計画17-21で示された財政見通しとの比較でございますが、2021年度計画額では、一般財源ベースでは18億3,600万円の収支不足額がございました。
 2021年度の計画額と今回の予算案の額を比較しますと、歳入は計画額よりも6億6,400万円増加しました。これは、「新型コロナウイルス感染症対策地方税収補填特別交付金」が新たに創設されたことや、地方交付税、臨時財政対策債などが増加したことなどによるものです。

一方、歳出は計画額よりも11億7,200万円減少しました。これは、繰出金や正規職員人件費の削減や、事務事業の見直しを行った結果の経常事業費削減の努力によるものです。

その結果、収支不足を解消するとともに、計画額の総額に対する割合では、5ヵ年計画の5年間の累計で、歳入は101.6%、歳出は99.9%とほぼ計画どおりとなり、2021年度においては、コロナ禍においても、引き続き健全な財政運営を維持できるものと考えております。

2施政方針の2021 年度の市政運営の視点についてにお答えをいたします。

町田市の主な収入は、市民税、固定資産税、そして、主な産業は商業です。つまり、町田市はたくさんの人に住んでいただき、たくさんの人にまちを訪れていただく、そうした人々の活力によって支えられているまちであると考えています。

コロナ禍で私たちのライフスタイルは変わり、通勤や通学といった行動に変化が見られています。こうした中、都心に程近く、都市とみどりのバランスがちょうどいい町田市には、大きなチャンスが訪れていると感じています。例えば、人口で見ますと2021年1月1日の人口は、対前年比で331人増えております

3、将来を担う人が育つまちをつくる取組について

1) 「学校教育のデジタル化推進について」

 町田市では、学校現場でのICT活用を「教育の情報化推進事業」として、町田市5ヵ年計画17-21の重点事業に位置付け、他自治体に先駆けて推進してまいりました。

 現在、GIGAスクール構想を受けて、全国の自治体が1人1台端末の環境を整えてきています。町田市では、一足早く端末を活用した授業を積極的に行ってきたため、教員や児童・生徒とも操作スキルや活用能力がすでに備わっており、大きな強みとなっております。

2)「町田第一中学校の改築工事について」

 新しい校舎は口の字型の4階建てで、中央に中庭を設けて校舎内に自然採光を多くとれるような明るい造りといたしました。そして、風通しの良い、開放感のある校舎としたほか、窓を二重にすることで、防音効果と断熱性能を高めて、生徒たちが学習に集中できる環境を整えました。

3)「中学校給食について」

 町田市の中学校給食は、家庭から弁当を持参するか、給食を注文するかを選択できる「選択制・ランチボックス形式」を採用し、2005年から始まりました。

 しかし、家庭環境の変化や、今回の新型コロナの影響による課題などを踏まえ、従来の方式から転換し、給食センター方式による全員給食を目指していくことといたしました。

 給食センターにつきましては、市内3ヵ所に建設する予定でございます。1箇所目の候補地といたしまして、ご提案いただいた旧忠生第六小学校へ建設する方向で今後検討してまいります。

4)「学童保育クラブの高学年児童受け入れについて」

 入会状況については、先月(2月)1日に全体で4,084名の児童に入会承認通知を発送しております。内訳は、1~3年生の低学年児童が3,553名、4~6年生の高学年児童が531名となります。

4、安心して生活できるまちをつくる取組について

1)「新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種について」

 接種までの見通しにつきましては、今後、順調にワクチンが配給される前提でのお答えになりますが、4月から65歳以上の高齢の方と高齢者施設等の従事者、その後、基礎疾患をお持ちの方を優先しながら、16歳から64歳までの市民の皆様に接種を行っていく予定です。

 接種方法・手順としましては、市内の協力医療機関100か所程度で接種を行う「個別接種」と、公共施設を使って接種を行う「集団接種」の両方を実施し、効率よく接種が進められるよう町田市医師会とも綿密な打ち合わせを重ねています。

 集団接種の会場は、利便性の高い生涯学習センターをメイン会場とするほか、忠生市民センターや鶴川市民センター、堺市民センター、小山市民センター、成瀬コミュニティセンターでの接種を予定しています