町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

らん読日記 記事一覧らん読日記

 らん丈にとって読書は、人生において欠かすことのできない楽しみです。
 本を読んでいるときが、最も好もしい時間の過ごし方なのです。
 そんならん丈が、折にふれ、その時々に読んだ本の読後感を、したためたものです。
 小説、エッセイ、評論、果ては法学、経済学や政治(学)の本を気ままに、関心の赴くままに渉猟してまいります。
 よかったら、濃いコーヒーでも召し上がりながらごらんください。

たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書を見る時

橘曙覧「独楽吟」

「明らかに、私たちの思想は読書によって形づくられる。そして読書とは、不滅の存在たちの意見をきくことなのである」

アラン(『感情 情念 表徴』古賀照一訳)

 作者の生き血を吸うがごとくに読んだ本のうち、らん丈の精神の骨格をかたち作った書物の一端を以下にご紹介します。なお、紙数の関係から断腸の思いで、一著作家一作のみを掲出しました。※2002年作成

【キリスト教】

  • 『聖書』
  • 八木誠一 『イエス』
  • 遠藤周作 『イエスの生涯・キリストの誕生』
  • 田川建三 『イエスという男』
  • 井上洋治 『日本人とイエスの顔』
  • 高尾利数 『イエスとは誰か』
  • 荒井 献 『イエスとその時代』
  • 佐藤 研 『悲劇と福音』

【哲学・思想】

  • プラトン 『ソクラテスの弁明』
  • 九鬼周造 『「いき」の構造』
  • 世阿弥 『風姿花伝』
  • 丸山眞男 『日本の思想』
  • 内村鑑三 『後世への最大遺物・デンマルク国の話』
  • 中根千枝 『タテ社会の人間関係』
  • 和辻哲郎 『風土』
  • 土居健郎 『「甘え」の構造』
  • 中島義道 『哲学の道場』

【評論】

  • 小林秀雄 『考えるヒント』
  • 高島俊男 『漢字と日本人』
  • 橋口倫介 『十字軍』
  • 猪瀬直樹他著 『二十世紀日本の戦争』
  • 中野好夫 『人間の死にかた』
  • 高橋英郎 『モーツァルト』
  • 大岡昇平 『成城だより』
  • 塩野七生 『ローマ人への20の質問』
  • 山本健吉 『古典と現代文学』
  • 木原武一 『天才の勉強術』
  • 山本七平 『「空気」の研究』
  • 沢木耕太郎 『テロルの決算』
  • 司馬遼太郎 『この国のかたち』
  • 橋本 治 『「わからない」という方法』
  • 山崎正和 『柔らかい個人主義の誕生』
  • 井上章一 『美人論』
  • 江藤 淳 『成熟と喪失』
  • 小谷野敦 『もてない男』
  • 立花 隆 『宇宙からの帰還』
  • 井上一馬 『試行錯誤の文章教室』

【政治・経済】

  • マックス・ヴェーバー 『職業としての政治』
  • 間宮陽介 『市場社会の思想史』
  • 『日本国憲法』 
  • 山家悠紀夫 『「構造改革」という幻想』
  • 新藤宗幸 『地方分権』
  • 神野直彦 『人間回復の経済学』
  • 佐和隆光 『市場主義の終焉』

【落語】

  • 桂 米朝 『落語と私』
  • 笑福亭松枝 『ためいき坂くちぶえ坂』
  • 桂 小南 『落語案内』
  • 吉川 潮 『江戸前の男』
  • 立川談志 『現代落語論』
  • 小佐田定雄 『茶漬えんま』
  • 三遊亭円之助 『はなしか稼業』
  • 中島らも 『らも咄』
  • 三遊亭円丈 『御乱心』
  • 辻原 登 『遊動亭円木』

【詩歌・戯曲】

  • 松尾芭蕉 『おくのほそ道』
  • イプセン 『人形の家』
  • 八木重吉 『八木重吉全詩集』
  • チェーホフ 『桜の園・三人姉妹』
  • 大岡 信 『折々のうた』
  • 木下順二 『夕鶴』
  • ソポクレス 『オイディプス王』
  • 矢代静一 『写楽考』
  • シェイクスピア 『マクベス』
  • 井上ひさし 『薮原検校』
  • ロスタン 『シラノ・ド・ベルジュラック』
  • つかこうへい 『熱海殺人事件』
  • モリエール 『人間ぎらい』

【小説・日本】

  • 森 鴎外 『渋江抽斎』
  • 藤沢周平 『蝉しぐれ』
  • 夏目漱石 『坊っちゃん』
  • 北 杜夫 『夜と霧の隅で』
  • 樋口一葉 『にごりえ・たけくらべ』
  • 加賀乙彦 『宣告』
  • 永井荷風 『濹東綺譚』
  • 吉村 昭 『戦艦武蔵』
  • 志賀直哉 『小僧の神様』
  • 三浦哲郎 『忍ぶ川』
  • 谷崎潤一郎 『春琴抄』
  • 野坂昭如 『アメリカひじき・火垂るの墓』
  • 芥川龍之介 『羅生門・鼻』
  • 古井由吉 『杏子・妻隠』
  • 川端康成 『伊豆の踊り子』
  • 山川方夫 『海岸公園』
  • 梶井基次郎 『檸檬』
  • 筒井康隆 『文学部唯野教授』
  • 太宰 治 『人間失格』
  • 平井和正 『狼の紋章』
  • 三島由紀夫 『潮騒』
  • 長部日出雄 『津軽世去れ節』
  • 安部公房 『砂の女』
  • 阿刀田高 『夜の旅人』
  • 阿川弘之 『暗い波濤』
  • 向田邦子 『思い出トランプ』
  • 安岡章太郎 『流離譚』
  • 佐木隆三 『復讐するは我にあり』
  • 吉行淳之介 『暗室』
  • 宮本 輝 『錦繍』
  • 島尾敏雄 『死の棘』
  • 海老沢泰久 『二重唱』
  • 庄野潤三 『プールサイド小景・静物』
  • 連城三紀彦 『恋文』
  • 山口 瞳 『血族』
  • 村上春樹 『ねじまき鳥クロニクル』
  • 丸谷才一 『横しぐれ』
  • 清水義範 『永遠のジャック&ベティ』
  • 松本清張 『小説帝銀事件』
  • 伊集院静 『受け月』
  • 山田風太郎 『幻燈辻馬車』
  • 浅田次郎 『椿山課長の七日間』

【小説・外国】

  • アナトール・フランス 『聖母の軽業師』
  • ラディゲ 『肉体の悪魔』
  • ラファイエット夫人 『クレーヴの奥方』
  • ヘミングウェイ 『老人と海』
  • アベ・プレヴォー 『マノン・レスコー』
  • フランシス・ジャム 『三人の少女』
  • コンスタン 『アドルフ』
  • マンスフィールド 『マンスフィールド短篇集』
  • ジイド 『狭き門』
  • フラナリー・オコナー 『善人はなかなかいない』
  • ヘッセ 『車輪の下』
  • レイモンド・チャンドラー 『長いお別れ』
  • グリルパルツァー 『ウィーンの辻音楽師』
  • アーウィン・ショー 『夏服を着た女たち』

【エッセイ】

  • 内田百閒 『百鬼園随筆』
  • 永倉萬治 『アニバーサリー・ソング』
  • 東海林さだお 『ショージ君の青春期』
  • 椎名 誠 『さらば国分寺書店のオババ』
  • 赤瀬川原平 『新解さんの謎』
  • 田中康夫 『ファディッシュ考現学』
  • 藤原正彦 『若き数学者のアメリカ』
  • 原田宗典 『スバラ式世界』
  • 和田 誠 『お楽しみはこれからだ』
  • 宮沢章夫 『青空の方法』
  • 山下洋輔 『ピアニストを笑え!』
  • 三谷幸喜 『オンリー・ミー』

【スポーツ】

  • 虫明亜呂無 『シャガールの馬』
  • 後藤正治 『スカウト』
  • 草野 進 『世紀末のプロ野球』
  • 高橋三千綱 『カムバック』
  • 岩川 隆 『0割0分0厘ひとり旅』
  • 村上 龍 『走れ!タカハシ』
  • 山際淳司 『スローカーブを、もう一球』
  • 二宮清純 『スポーツ名勝負物語』
  • 近藤唯之 『比較野球選手論』
  • 川口和久 『投球論』
  • 赤瀬川隼 『白球残映』
  • 織田淳太郎 『捕手論』

『町田の文化』31号「文化と芸術」

2023.07.13(木)

「文化と芸術」
                  俳句連盟会長 三遊亭らん丈

 吉田秀和さんを、本誌を手にしていらっしゃる多くの方はご存じのことでしょう。吉田は、大正2年生まれですから11年前に98歳にして幽冥境を異にしております。吉田が音楽評論にあらたな地平を開き、それによって文化勲章を受章したのは、画期をなしました。

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ウージェーヌ・イヨネスコ『 瀕死の王さま(大久保輝臣訳)』イヨネスコ戯曲全集 第3巻(白水社、1969年)

2020.12.16(水)

イヨネスコ戯曲全集第3巻口絵『瀕死の王さま』1966年

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大森理恵、辺見じゅん編『盲目の俳句・短歌集 まなざし』

2016.03.19(土)

大森理恵、辺見じゅん編『盲目の俳句・短歌集 まなざし』(メタ・ブレーン、2000年)

 本書は、その題名が示すように、全盲の方々(弱視者も含む)から「北海ジャーナル・声の文芸教室」に寄せられた昭和46年から平成10年までの優秀作、俳句6,088句、短歌5,416首のうち、俳句は大森理恵、短歌は辺見じゅんが選んだものである。本稿では、このうち、俳句部門についてのみ、言及する。

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大山 礼子『日本の国会』-審議する立法府へ

2013.12.14(土)

【箇所】20013年度秋学期 慶應義塾大学大学院 法学研究科
【科目】憲法特殊講義Ⅱ
【担当】田村 重信、高橋 憲一〈第33代防衛事務次官〉講師
大山礼子〈駒澤大学〉日本の国会-審議する立法府へ(岩波書店)

2006年にリニューアルされた岩波新書新赤版の装丁は、立教大学文学部キリスト教学科の同窓桂川潤氏の作品です

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柳澤協二『検証官邸のイラク戦争』元防衛官僚による批判と自省

2013.09.28(土)

【箇所】2013年度春学期 慶應義塾大学大学院 法学研究科
【科目】憲法特殊講義Ⅰ統治機構の現実の理解に向けて
【担当】森永 耕造 講師
【指定図書】柳澤協二『検証 官邸のイラク戦争元防衛官僚による批判と自省(岩波書店、2013年)
 上記書へのコメントの視角は、下記の2点。
1、官僚と政治家の役割の違い
2、あるべき役割分担

 著者はイラク戦争当時防衛官僚として、「それを所与の前提として受け入れ」政策を立案、実行していた。その後、退官した著者が、「自分自身が関わった政策について、問い直した」ものが本書である。

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ドナルド・ケトル『なぜ政府は動けないのか』稲継裕昭[監訳]

2013.06.09(日)

【箇所】2013年度春学期 慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻
【科目】政治・社会論特殊研究 政治過程における民主主義の理論と分析Ⅰ
【担当】小林 良彰 教授
なぜ政府は動けないのかアメリカの失敗と次世代型政府の構想
Donald F.Kettl 〈メリーランド大学公共政策大学院〉(勁草書房)
稲継裕昭〈早稲田大学 政治経済学術院〉教授[監訳]浅尾久美子[訳]

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デビッド・オズボーン&テッド・ゲーブラー『行政革命』野村隆

2011.06.22(水)

【箇所】2011年度夏学期 一橋大学 国際・公共政策大学院
【科目】行政学Ⅰ・基礎[2単位]
【担当】辻 琢也 教授
【テキスト】REINVENTING GOVERNMENT by David Osborne and Ted Gaebler(1992年)
『行政革命』野村隆〈徳島文理大学大学院〉教授[監修]高地高司[訳](日本能率協会マネジメントセンター、1995年)
序章と全11章からなるが、そのうち、第9章と第10章を採り上げた

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森 博嗣『大学の話をしましょうか』最高学府のデバイスとポテンシャル(中公新書ラクレ)

2010.06.14(月)

 森博嗣という、人気作家がいるのは知っていました。
 同氏は、映画「スカイ・クロラ」の原作者であり、国立N大学工学部建築学科の元助教授であったことも存じてはいましたが、いままでその著作を読むことはありませんでした。
 今回はじめて森の著書『大学の話をしましょうか』を読んで、その真っ当なお考えに引きこまれました。

 本書は、多くを森への質問とその回答という形式をとりつつ、副題にあるとおり、「大学の装置と可能性」についての、森の感懐が惜しみなく語られています。

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アマルティア・セン『不平等の再検討』潜在能力と自由-池本幸生・野上裕生・佐藤仁訳(岩波書店)

2010.05.06(木)

【箇所】2010年度前期 早稲田大学大学院法学研究科
【科目】社会保障法研究Ⅰ
【担当】菊池 馨実 教授
INEQUALITY REEXAMINED by Amartya Sen 1992
不平等の再検討』潜在能力と自由(岩波書店、1999年)

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ロナルド・ドゥウォーキン『平等とは何か』小林公 訳(木鐸社)

2009.11.20(金)

Sovereign Virtue:The Theory and Practice of Equality
by Ronald Dworkinの邦訳『平等とは何か』であり、原著の表題である「至高の徳」は、いうまでもなく平等を意味する。p.617
小林 公〈立教大学〉教授、大江 洋〈岡山大学〉教授 他 訳

 「平等論の根本問題は、分配的正義の脈絡において人々を平等な存在として扱うことは人々の「何を」平等にすることかという問題であるが、第1章と第2章はこの問題にあてられている。」p.617
 「第3章では分配における平等と自由の両立可能性が論証されている。資源の平等論によれば自由と平等は衝突しあう独立した政治理念ではなく、自由は平等の一側面と考えられ、どのような資源の分配が市民を平等な配慮で扱っているかに関する最善の観念に従って自由は保護されなければならない。」p.618

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