町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

2017年 文教社会常任委員会 行政視察報告書議員活動

2017.05.18(木)

【視察所感】
東京都日野市、視察項目【ICT活用教育について】
福岡県宗像市、視察項目【小中一貫教育について】
福岡県鞍手町立西川小学校、視察項目【西川小学校における学力向上の取り組みについて】
熊本県熊本市、視察項目【MICE誘致推進機構による文化・スポーツ大会等の誘致活動について】

東京都日野市、視察項目【ICT活用教育について】
1、ゼロからスタートして10年経過した日野市の教育の情報化
(1)今から10年前の平成19年第1回日野市議会定例会で、当時の日野市長が、「日本一を目指した学校ICT活用教育を充実させます。小中学校全校で、コンピュータを活用したICT教育のための環境整備が完了し、それをもとに「わかる授業」「魅力ある授業」を実施していきます」と発言したことから、学識経験者、関係部課長、指導主事、代表校長によるICT活用教育戦略本部「ICT活用研究委員会」が設立された。

(2)セキュリティの重視
 ICT教育に関して、学校情報セキュリティ監視員が全校を訪問し、日野市公立学校セキュリティポリシーの基本的ポイントを解説した。

(3)日野市としての戦略
 日野市は、実効性のあるサポート体制を敷いた。
1)市の関係部局の連携を強化
2)ICT活用教育推進室の設置

(4)学校のICTを取り入れるマネジメント体制を構築
1)校長によるリーダーシップ
2)新しいことへの挑戦、発想の転換を促進

(5)現市長による継続・発展の決断
 2015年4月に、前市長から引き継ぎ、現市長も共同研究協定を締結した。
 そうして、児童一人ひとりにタブレット型PCを貸与し、学校だけでなく自宅においても最新のICTを活用した学習環境を提供し、その成果を検証する。
 その結果、日野市内の全公立校は、学校情報化優良校に申請を完了し、認定待ちが3校という状況になった。

2、10年続いている管理職ICT研修「ICTを活用したアクティブ・ラーニング」

3、教育の情報化推進の秘訣
 学校現場、行政、企業、専門家(研究者)の4者が一体化して、ICT活用教育は推進される。

4、校舎内どこでもネットワークに接続できるとICT活用の可能性はどのように広がるか⇒PC教室の環境が校舎内全体に広がる⇒校舎内のどこでもデータの保存ができる
 skypeを使えば、海外との双方向授業が可能となる。
 このように、教室での調べ学習で、「タブレットPC」とインターネットを利活用している。
 教室にタブレットPCを持ってきて活用できるようになり、授業の幅が広がった。PC教室を他のクラスが使っている時間でも、5台くらいだったら持ち出せることが多く、1グループに1台ずつ調べ学習などで利用できる。

5、インターネットの利活用は、それまで、グループ学習の際、ホワイトボードを配ることが多く、その上で、一人ひとりの考えや意見、調べたことなどをグループの中で共有化し、ブレインストーミングをしたり、まとめさせたりしていたのが、インターネットの活用によって調べる時間が節約できたことにより、その先の「主体的・対話的で深い学び」に近づける作業に時間がかけられるようになった。
 その上、各グループのホワイトボードの内容は、今まであまり残していなかったが、今後は、タブレットPCを使うことによって、こまめに撮影し、記録として残したり、その後の指導や学習に活かせるようになった。

6、個別学習システム−インタラクティブスタディ
 「インタラクティブスタディ」を活用し、誤答・正答のパターンに基づいて最適な補充問題や応用問題で学習できるようになった。
 それに伴い、子ども同士で教え合えるように、「ブーメラン型」に机を並べ替えた。
 教師は、手元のタブレットで子どもたちの学習の進行状況を見ながら机の間をまわりながら指導できるようになった。
 同一画面で長く止まっている子どもや間違いが多い子どもなど、気になる子どもを丁寧に指導できるようになった。

7、タブレット学習−スタディネット
 エクスチェンジボード機能といって、児童や生徒一人ひとりの考えを、クラス全体で交換し、比較することで、考え方の多様性に気づいたり、それらを元により適した考えを相互に求めていくことができるようになった。

福岡県宗像市、視察項目【小中一貫教育について】
1、小中一貫教育に見られる子どもの様子
(1)学習規律・学習態度が向上した。
その具体例として、児童・生徒が背筋を伸ばして聴くようになり、聴く姿勢がよくなったことが挙げられる。また、グループ交流が活発になった。集中して、授業に取り組むようになった。自分の考えを発信する力が増した。

2、宗像市第1期小中一貫教育:段階的拡大
 平成18〜20年度、日の里中・大島中校区
 平成21〜24年度、中央中校区、河東中校区、自由丘校区、城山校区
 平成25年度以降、玄海中校区

3、宗像市が進める小中一貫教育
(1)同じ中学校区にある、小・中学校が共通の目標を設定し、この目標の達成に向けて、小中の教職員が協働して、義務教育9ヵ年間の一貫したカリキュラムに基づいて実施するもの。
 上記の目標を達成させるために、6・3から、4・3・2という教育区分を導入。こうして、中一ギャップを解消し、小中の接続をなだらかなものにした。施設は、一体型を採用。

(2)宗像市小中一貫教育の成果と課題
 学習規律・学び方をそろえる工夫をこらしている。
 指導方法工夫改善教員と宗像市学力向上支援教員とを兼務した兼務教員制を導入した。
 指導内容に一貫性を求め、系統性の共通理解を進めた。
 小中合同歓迎遠足を実施している。
 小学校運動会と中学校体育祭では、それぞれ小中学生がボランティアをつとめている。
 小中学生が、地域クリーン作戦に参加している。
 小中学生が合同で、校区愛着活動を実施している。

(3)宗像市小中一貫教育の成果
1)すべての学年において、学習意欲の低い児童生徒が減っている。
2)学習規律や学習態度の定着など、9ヵ年をとおした、望ましい学習基盤が成立している。
3)小中一貫教育推進に向けた組織体制が整ってきている。
4)家庭・地域と連携した取り組みが見られるようになっている。

(4)宗像市小中一貫教育の課題
1)学習規律・学習態度・学力の向上
2)自己指導能力の育成
3)指導方法・指導内容の一貫
4)組織体制の機能化
5)家庭・地域との協働
 上記の項目を、より一層充実・改善を目指す。

4、宗像市第2期小中一貫教育:段階的拡大
 自立し、かかわりを深める子どもを目指している。
(1)目指す学校像
 全教職員が、生きる力及び学園における共通の教育目標や重点目標を理解するとともに、それぞれの立場において、家庭や地域と協力しながら学習指導・学級経営・学校経営に取り組んでいる。
 全教職員が、プロデュース力・コーディネート力・コミュニケーション力の3つを有し、協働意識・当事者意識・使命感を高めようとしている。

(2)目指す家庭像
 保護者が、学園・学校における取り組みの方向性や課題に関心をもつとともに、課題の解決に向け、望ましい生活習慣や学習習慣づくり等について学校と協議しながら実態把握・日常的な取り組みや強化期間の設定等に取り組んでいる。

(3)目指す地域像
 地域が、学園・学校における取り組みの方向性や課題に関心をもつとともに、課題の解決に向け、規範・社会性の育成や学力向上等について主催行事や学校と協働した教育活動に取り組んでいる。

福岡県鞍手町立西川小学校、視察項目【西川小学校における学力向上の取り組みについて】
1、学力向上の取り組みの全体像
(1)自立できる西川小の児童の育成
 上記目標を達成させるために、早寝・早起き・朝ご飯という生活習慣作りへの取り組みが挙げられる。

2、取り組みをはじめた経緯・目的
(1)学力向上の取り組みをはじめた経緯として、平成23年1学期での国語と算数の単元テストの結果、いずれの教科でも3割以上の児童が目標値である、80点に達していなかったことが挙げられる。
 そこで、学力向上の取り組みとして、教育的効果のある取り組みを模索し、その一環として、広島県土堂小学校への視察をおこなった。そこで、陰山メソッドと平成24年1月に出会った。
 そのことを契機に、職員研修をおこなって共通理解や学校総体としての取り組みを開始した。

(2)陰山メソッドの特徴
 児童の集中力をたかめ、脳の活性化を図ることが、エビデンスとして証明されている。その結果、読み書き計算の基礎学力を高める。
 簡単な計算や音読が、脳全体を活性化させる。

3、学力向上の取り組み
 ドリルタイムを、月、火、水、金曜日の13:55〜14:10に設定して、音読、マス計算、漢字書き取りをおこなっている。
 その上に、西川タイムとして、木曜日の1時間目にもおこなっている。
 いずれも、担任とともに、担任外の教師もくわわり、2人教員体制をとっている。西川タイムの主な内容、計算、音読、漢字、百人一首、フラッシュをドリルを使っておこなう。

4、重視している点や工夫点
 簡単な同じ計算問題を徹底反復させ、達成感を持たせる。
 記録表にタイムを記録し、伸びを実感させる。
 両面印刷し、早く終えた児童に、空白の時間をつくらない。
 漢字の取り組みでは、前倒し指導をおこなっている。
 百人一首では、TOSSの「五色百人一首」を使用している。カルタ大会は、近接学年ごとにおこなう。3学期には、全校カルタ大会を実施する。

(1)重視している点
1)スピード
2)テンポ
3)タイミング

(2)取り組みの工夫点
1)プリント等は事前に準備しておく。
2)メニューカード等で見通しを持たせる。
3)切れ目なく、次々に進めている。
4)カスタネット等でリズムを作る。
5)空白の時間を作らないようにしている。

(3)継続する工夫点
1)年度始めの授業改善研修会でガイダンスを実施
2)西川タイム等の交流による学び合い
3)全校西川タイムの開催(学期に1回)
4)支援体制による指導や支援
5)漢字能力協会による漢字検定実施(希望者のみ、7割が受検)

5、成果と課題
(1)成果
1)学校総体による取り組みの積み重ねにより、授業中等の集中力が高まり、学力が次第に向上してきた。
2)児童が「できる喜び」「伸びる喜び」を実感でき、自信や自尊感情も高まった。
3)教師も、児童の変容を目の当たりにして取り組みに対する手ごたえを持ち、意欲的に取り組むことができた。

(2)課題
1)学習面での配慮を要する児童への指導法の工夫や授業時間の確保
2)活用力を高める指導法の工夫や指導時間の確保−西川タイムの工夫−
3)徹底反復学習の継続

6、今後の課題や取り組み
(1)徹底反復学習の着実な取り組みの継続

(2)活用力を高める発展的学習の取り組み−西川タイムの工夫−

(3)陰山メソッドのさらなる活用

熊本県熊本市、視察項目【MICE誘致推進機構による文化・スポーツ大会等の誘致活動について】
※MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとったもので、多くの集客交流が見込まれるビジネス性の高い会合、旅行全般の総称をいう。

1、くまもとMICE誘致推進機構及びMICE誘致全般について
(1)くまもと誘致推進機構
1)新ホールマネジメント課が担当し、課長以下、整備班(3名)、運営班(3名)、誘致班(3名)によって、構成されている。
 それ以外に、機構会員として、大学・高等教育機関、医療・福祉団体、スポーツ・文化団体、経済団体、新聞・放送関係、中心商店街、コンベンション施設、宿泊・旅行関連団体、交通運輸事業者、コンベンション協会と連携し、特にMICE誘致のための予算措置をコンベンション協会に対してとっている。
2)活動内容
 MICE誘致のために、地元大学、学会事務局、企業への開催情報収集・誘致等をおこなっている。

2、熊本市MICEアンバサダー(大使)制度
 今後更なるMICE誘致活動の取り組み強化を図るため、国内外において影響力の強い有識者(研修者、産業界のリーダー等)が大使として、MICE開催地としての熊本市の広報活動やMICE誘致活動をしている。

3、熊本市及び近隣地区でのコンベンション開催件数は、平成27年度は329件で、前年度にくらべて51件(対前年度比118.3%)、コンベンション参加者数も、122,328人で、7,746人の増加(対前年度比106.8%)となった。

4、文化イベント
(1)東京キャラバン
 主催は東京都、(公財)東京都歴史文化財団。劇作家の野田秀樹氏の発案により、東京をはじめ日本の多種多様な文化発信のための2020年東京オリンピックに向けた文化プログラム。2016年夏、オリンピック開催中のリオデジャネイロを出発点として、東京キャラバン隊が国内外各地に出現し、東京都と開催地の文化交流を図りつつ演劇等の公演を開催。開催時期は2016年度から2020年度まで。
 これが、2017年10月頃の開催で調整中。その際の演出は、近藤良平氏。

5、スポーツ大会等の誘致について
(1)ラグビーワールドカップ2019誘致経緯
1)平成21年IRB本部(アイルランド)にて、日本国開催が決定
2)平成22年9月14日 熊本県協会、理事会においてRWC2019の招致活動方針を決定
 その後、熊本市が全市的なバックアップのもと、誘致活動が展開された。
3)平成27年3月2日 熊本県、熊本市が開催都市に決定

(2)2019女子ハンドボール世界選手権誘致経緯
1)平成25年2月21日 国会議員による超党派ハンドボール振興議員連盟が、2019年女子世界ハンドボール選手権大会を日本に誘致する決議を可決
2)同年10月28日 IHF理事会において、最終プレゼンテーションにおいて、熊本が開催地に決定