町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

「町田市庁舎建設等に関する調査特別委員会」 行政視察2007年7月議員活動

2007.07.30(月)

1、大田区役所本庁舎
1)大田区役所本庁舎(以下、大田区庁舎と略す)は、平成10年3月に竣工した建物であるが、庁舎として見た場合、その際立った特徴として、この建物は、本来庁舎として建てられたものではなく、民間による商業施設として建てられたものである、ということが先ず指摘できる。それを転用利用しているのが、大田区庁舎なのである。

2)大田区庁舎は、上記のように、平成10年3月に竣工したものであり、同年5月より、大田区への供用が開始された。その際、本会議場は議会のみでなく、多目的使用を視野に入れ、設計された。具体的には、演壇、速記席の取り外しを可能にし、かつ議長席を後ろの壁の中に収納できるようにしたのである。
 こうして、議場に、大きなスペースを創出させることが可能となった。

 これによって、本会議場の多目的使用が可能となり、平成13年度から多目的使用が開始される運びとなった。

3)「本会議場の多目的使用に関する基本的な考え方」として、事業主体は、区議会が主催する事業に限っている。また、行事の開催については、年1〜2回であるから、頻度として、決して多いとはいえないであろう。
 しかし、定例会、臨時会以外に、行事を入れる場合、上記のように、年に1〜2回という頻度が、適当なのかとも思われた。

4)平成13年2月に、上記「基本的な考え方」が、決定されてから、今日までに4回の多目的使用が開催された。
 そのうち、3回は音楽会であり、1回は「こども議会」であった。この場合のこどもとは、中学生を指している。
 平成13年から、今年まで7年間に4回は決して頻度が多いわけではないが、これは議会側で規制しているわけではなく、区民からの要望がこれ以上ないためだそうである。
 入場者は、240人を収容できるのだから、音楽会、こども議会以外にも、需要はありそうなものだが、現実として需要がこれ以外ないというのは、本会議場の多目的使用の告知が区民に浸透してないせいなのか、それとも、浸透していてもなおかつ、利用希望がないのか、真相を知りたいところである。

5)本会議場は、もともとプールとして設計されたものであるため、屋根が開閉され外光が差すものとなっているのは、好感が持てた。

2、千代田区役所本庁舎
1)この庁舎は、平成19年5月に供用が開始されたばかりの、ごく新しい庁舎である。
 その特徴は、PFI事業による、中央政府の合同庁舎との共同建築であること、おそらくこのような形態をとっている基礎自治体の庁舎は、現在のところ、千代田区のみであろう。

 ちなみにこの建物は、地上23階建てだが、そのうち1〜10階部分が、千代田区立図書館を含めた千代田区本庁舎となっている。

2)ユニバーサルデザインを積極的に取り入れ、視覚障がいをお持ちの方のために、庁舎内では、床に特殊な工夫を凝らし、歩行での位置確認が容易にできるようになっているほか、音声誘導装置を設置し、庁舎周辺でも視覚障がいの方に配慮している。

 このように、ユニバーサルデザインの積極的採用は、町田市新庁舎においても取り入れなければならない当然の案件である。

3)3階には、障がい者就労支援施設があり、1階には、障がい者が就労するパン工房とパンショップがあるのは、庁舎においては、珍しい取組みであるが、これも町田市庁舎に取り入れるべき案件ではないか。
 ちなみに、パン工房を庁舎内に設けることに、当初中央政府は反対したそうであるが、千代田区の粘り強い交渉の結果、パンショップとパン工房を1階につくることができた経緯がある。

4)「光壁」といって、多くの区民が参加して制作された“創作和紙アート・ワークショップ”が、1,2,7,10階の4箇所に設置されている。
これは、庁舎に和みを演出させるために設けられたものだそうである。
たしかに、その意図は達成されており、無機的になりがちな庁舎に有機的な温かさをもたらすことに成功している。

 このように、市民と協導して庁舎に和みをもたらせるモニュメントを設置することも、新庁舎には望みたい。

5)防災センターは、大田区庁舎のものも見学したが、安全・安心の街づくりの観点から、町田市庁舎にも予定されている施設である。
その使い勝手は、極めて優れたものでなければ、実際の災害時に機能させることができないので、くれぐれも、その設備に対する配慮には意を用いたいところである。

6)本会議場の一般開放にも、千代田区は消極的でないことが確認できた。