町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

立教大学 経済学部 ゼミナール「現代地方財政の研究」『財政読本』レジュメ大学での活動

2001.05.31(木)

機関:立教大学 経済学部専門教育科目
学科目・テーマ:ゼミナール・「現代地方財政の研究」
開講学期[単位数]:2001年度 通年[4単位]
担当:野呂 昭朗 教授(経済学部 経済学科)
テキスト:井堀 利宏・土居 丈朗『財政読本』[第6版](東洋経済新報社、2001年)
第8章「地方財政」pp.193-214

第一節 国と地方の財政関係 pp.193-198 
一 国と地方の財政規模の比較
地方純計の財政規模は、p.194の図8-1にあるように、国の一般会計の規模に対して、1970年以後に限ってみても、一貫して上回っている。
それが、近年ではより上昇傾向にあり、1997年度においては、約1.25倍に達している。

三 国と地方の財政制度
 わが国の国と地方の財政制度は中央集権的で、基本的に国から地方への移転を根本的な考え方とする。つまり、いったん国税として納められた収入は地方交付税、国庫支出金等の形で国から地方へ移転される。これは、明治新政府から連綿と続く考え方で、戦後においても長らく地方分権の阻害要因となった。

 ただし、この国家尊重主義は明治の殖産興業はいうに及ばず、戦後高度経済成長を果たす上でも、有効に機能し、国家による重点政策を遂行するためには、なくてはならない制度であった。つまり、先進諸国へのキャッチアップでは、素晴らしい機能を果たしたものの、高原状態に立ち至った現在の日本では、国家的なニーズより、地域による多様なニーズにより的確に対処するため、2000年4月1日をもって地方分権一括法が施行され、従来までの国と地方の主従関係から、対等・協力関係という新たな段階へと、移行しつつあるが、実効をみるまでにはなお時間がかかるものと思われる。

 国と地方公共団体はそれぞれ国税や地方税を徴収している。税収全体に占める国税と地方税の比率は、戦後を通じて国税が約60%、地方税は40%である。そこから、4割自治という、地方自治の空洞化を指摘する揶揄の声があがることになる。

 国と地方の実質的な租税配分の割合は、景気の変動によって影響を受けるが、近年では国の実質的な租税配分は約30%、地方は約70%で、配分後は国と地方の割合が逆転している。

五 地方債計画
 地方債は財政投融資資金や民間資金などによって引き受けられる。このうち近年においては、地方債の約半分は財政投融資資金が引き受けている。

 その「第2の予算」と呼ばれてきた財政投融資が2001年4月から抜本的に改革される。 そもそも財政投融資とは郵便貯金、厚生年金、国民年金、簡易生命保険、などで国民から集めた資金を、政府関係機関や地方公共団体などに、政策目的を実現するために出資や融資をする仕組みである。

 今回の改革は、政策目的の実現よりも、「市場原理」の導入を重視した改革ということができる。これまで簡易生命保険(簡保)を除く郵便貯金(郵貯)などは、資金運用部に統一的に預託されたうえで運用されていたが、こうした資金運用部への預託の義務を廃止することが改革の第1である。

 これによって資金運用部は財政投融資資金特別会計に再編成され、材投機関債を発行して資金を調達することになる。これが第2の改革である。

 これは、財投資金を運用してきた政府関係機関などが、材投機関債を発行して、「市場」からの資金調達を原則とすることである。もっとも、財投機関債による独自の資金運用が困難な場合には、限定的に政府の債務保証の付いた政府保証債の発行が認められることになっている。

 こうして調達された資金は、それぞれの材投機関に配分することになる。それぞれの材投機関も財政投融資資金特別会計が配分する資金以外に、独自に材投機関債を発行して資金を調達する。自主運用となる郵貯や厚生年金などは、こうした材投債や財投機関債を導入することになる。

* 材投債
 財政投融資のために必要な資金を、債権の発行によって調達すること。以前の材投計画では、郵便貯金、簡易保険資金、公的年金資金が自動的に財政投融資の原資として用いられてきた。そうした状況では、公団や政府系金融機関などの材投機関に必要以上の資金が流れ、運用される危険性もある。

 財投機関が必要とするだけの資金量を、財投債を発行することで市場から調達するようにすれば、過度の資金が財投機関に回されることもなくなる。材投債には、材投機関を一括して全体としての資金を債権発行で調達するケースと、財投機関ごとに個別の債権を発行してそれぞれ必要な資金を調達するケースの二つが考えられる。後者の場合は、前者と区別する意味で、材投機関債と呼ばれている。

第二節  地方財政の歳入
一 歳入の項目
(1) 地方税
 地方税は、地方純計で最大の財源である。

(2) 地方交付税
 地方交付税は、地方公共団体の自主性を損なわずに地方財源の均衡化を図り、かつ地方行政の計画的な運営を保証するために、国が国税の一定割合を使途を制限しない財源として地方公共団体に移転するものである。

(3) 国庫支出金
 国庫支出金は、国が地方公共団体に対して使途を特定して支出する補助金のことである。したがって、国庫支出金の使途について地方公共団体の裁量の余地はほとんどない。

二 地方歳入の構成比の推移
 歳入項目の中で、最も大きな割合を占めているのが、地方税である。次いで、地方交付税、国庫支出金、そして近年では地方債の順になっている。

三 歳入の分類
自主財源
地方公共団体が独自に収入しうる財源である。自主財源には、地方税などがある。

 ここで、法定外普通税の創設が「国の許可」から「事前協議による同意」で可能になり、法定外目的税の創設も認められるようになった、昨年4月に施行された地方分権一括法について、触れる。

 地方分権一括法
 国と地方の関係を、「上下・主従」から「対等・協力」に変えることを目指す地方分権一括法が、平成12年4月1日施行された。地方公共団体を国の下部機関と見なして仕事をさせる機関委任事務の廃止が大きな柱で、自治体の職員配置や資格への国の規制(必置規制)の緩和なども盛り込まれている。自治体が自らの判断と責任で施策を打ち出せる自治の範囲が広がり、地方分権は新たな段階を迎えた。

 ところで、小泉首相は公共事業に続き、地方への歳出削減を表明したことで、地方交付金制度が財政改革の焦点に浮上してきた。

 この制度は、国税の一部を自動的に地方に回す仕組みが道路特定財源と共通している。この制度の問題は、国税の一定割合が自治体の口座に自動的に入るため、住民は市町村民税のような重税感を覚えずに、税金の使い道が野放図になりやすい点が挙げられる。したがって、無駄な事業に使われてもチェック機能が働きにくい。

 この場合の改革の焦点は、自治体の行政改革をどう促すか、にかかっている。

 地方交付税交付金の9割を占める普通交付税は、一般財源で行うべき行政サービスの経費(基準財政需要額)が、標準的な収入(基準財政収入額)を上回る財源不足の自治体に配分される。

 行政サービスが多いほど交付金は増えるため、自治体は行政サービスを縮小しにくい。経費節減や税収を増やす努力は交付金の減額要因となり行政改革を遅らせかねない。

 財政再建路線に合わせて、国が保証する自治体の行政サービスの範囲や水準をどう改めるか、自治体の行政改革を誘因する仕組みをどう確立するかが、改革の焦点だ。

 そこで、長期的な改革に不可欠な視点として、国への依存体質を断ち切るため、地方の税源を増やす必要もある。

 現在は国と地方の税収の比率が3対2なのに、最終支出は逆に2対3。地方への税源委譲は長期的な改革の課題だ。